第128話 俺たちにとっては最上位の存在、来る!
ふう……とりあえず千手観音のブロックには成功したぞ……。
さあ、次はどんな奴が来る?
弥勒菩薩とか千手観音より高位なものって何?
も、もしかして全能の神とか来ちゃう?
俺ソイツとメッセージ出来るの? それはそれで凄いことじゃね?
ちょ、やべ、なんかスゲー楽しみな俺がいるんだけど。
お、早速メッセージ来たぞ。
一体どんな奴が――、
金剛力士像(母ちゃん)『アンタ! ウチの
母ちゃん来たああああああああああああああああ!
そうだったそうだった。
俺たちにとって一番高位なのは、弥勒菩薩でも千手観音でも全能の神でもなくて母ちゃんだわ。
何も逆らえないもん。日々感謝しかないもん。
忘れてたわ絶対的な存在(母ちゃん)を。
金剛力士像(母ちゃん)『金剛力ちゃんを傷つける人は許さないわよ!』
母ちゃん怒ってるよ。そりゃそうだよ。
てか金剛力ちゃんって何? 区切り方が中途半端じゃない?
金剛力士像(母ちゃん)『返答次第では弥勒菩薩や千手観音のようになるわよ』
弥勒菩薩や千手観音のようにって何?
二人とも母ちゃんがシバいたからメッセージ来なくなったってこと?
金剛力士像(母ちゃん)『気づけば拳が赤く染まっていたわ。さあ早く返事をしなさい!』
母ちゃん恐ええええええ。
確実に拳で退けたよね弥勒菩薩と千手観音を。神の加護的なヤツも物理でぶち壊したのか。
さ、流石は俺たちの中で最高位の存在(母ちゃん)だ。
城『誤解です。ゴールデンウィーク中は勉学に集中したくて、通知オフにしようとしたら間違えてブロックしちゃってたようです! 今から解除します!』
……ど、どうだ? 我ながら完璧だと思うけど。
……返事来ねーな。あ、そうだ、今のうちに金剛力士像☆のブロック解除っと。
金剛力士像(母ちゃん)『あらヤダ~。早とちりだったようだわぁ~。ゴメンねウチの子が』
なんか知らんけど通じたわ。母ちゃん子供の友達に接する時用の優しい口調になってくれたよ。
金剛力士像(母ちゃん)『ちょっと金剛力ちゃ~ん! お友達、間違えてブロックしちゃったって言ってるわよ~!』
え、何で向こうの日常会話がメッセージで送られてくるの? 声量的に一階から二階の部屋に居る金剛力士像に言ってる?
金剛力士像☆『ちょ、べ、別に確認してって頼んでねえしっ!
良心が痛むのは気のせいですか?
金剛力士像(母ちゃん)『なによアンタ。さっきまで泣いてたくせに』
泣いてたんだスマンな金剛力士像。今度アイスオレ奢るから元気出して。
金剛力士像☆『そ、そんなことねえし! でも……ありがとな、母ちゃん……』
金剛力士像(母ちゃん)『ふふっ。お友達は大切にしなさいよ』
……なんか良く分からんけど一件落着だなこれで。
金剛力士像☆『あ、ああ……。あと昼ごはんの炒飯、美味しかったよ……』
金剛力士像(母ちゃん)『やだもう、金剛力ちゃんったら……』
うんうん。解決したね。良い話だね。はいはい、もう良いから、もう良いから俺へのメッセージをチャット代わりにしないでくんない。
金剛力士像☆『そういえば今日の夜ごはん何?』
金剛力士像(母ちゃん)『アナタが好きなモノよ!』
金剛力士像☆『え、それってまさか……!』
金剛力士像(母ちゃん)『もちろんカレーよ!』
金剛力士像☆『やったあ!』
金剛力士像(母ちゃん)『パパも喜ぶわね』
金剛力士像☆『明日の朝の分まで残るようにしてね!』
金剛力士像(母ちゃん)『一晩おいて美味しくなったカレーがあると、朝テンション上がるわよね』
金剛力士像☆『それそれ! 楽しみで休日でも早起きしちゃうんだよな~』
だから……何で俺んところに会話送ってくるんだこの親子おおおぉ?
狂ってんのか?
もう通知オフにするか。
よし、完了。
最初からブロックじゃなくてオフっときゃ良かったわ。溜まった分は後で一気に読んでテキトーに返信するか。
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