第8話

 ふと、前に視線を移すと何かがビルとビルの間から生えていた。気になってぼんやりと眺めていると、それが巨大な背鰭であるということが分かってきた。気がつけば、超巨大な生物がこちらを見ていた。「うわぁあああ」と叫ぶと、周りの人はスマホから顔をあげ、怪獣ではなく俺を、怪獣に向けられるであろうものよりも鋭く冷たい視線を俺に向けた。怪獣はこちらに向かってきている。サメのような姿で卵みたいに殻で覆われている。巨体にはマジックペンのようなもので"承認欲求"と書かれている。承認欲求モンスターだ。いやZ級サメ映画の怨霊かもしれない。「ねぇ、君あれが見えるの?」突然、背後から声をかけられた。そこには推しがいた。あ、これ夢だ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る