Part7:「〝未来を失った心〟からの呼びかけ」

区切りのシーンなので短いです。



――――――――――



「これは……?」

「んん?なになにっ?」


 唐突に表示されたコンソールウィンドウ。そしてそこに打ち込まれ始めた、こちらへの呼びかけの物と思しきものに。

 星宇宙とモカは意識と視線を向ける。


「なんだこれ、こんな展開無いぞ……?」


 そして訝しむ声を零す星宇宙。

 無理もない。こんな展開、演出はTDWL5のストーリーには存在しないはずなのだ。


「フューチャー・ロスト・ハート……?」


 呼びかけの人物(?)の名称はFuture Lost Heart(以下FLH)と言うらしい。


FLH:[いいだろう、次の段階に進める_]

FLH:[そしてすべてをうまく完遂させなければならない_]

FLH:[そのためにやらなければいけないことがある_]

FLH:[それは_]

FLH:[私はそれを幾度も幾度もテストした_]

FLH:[君にはそれが望めそうだ_]

FLH:[――旅を再開してもらう時間だ_]

FLH:[健闘を――_]


 箇条書きのそれで、そして少し独特な様相で。コンソールウィンドウにそんな言葉が連なる。

 何か一方的な呼びかけと訴え。

 最後に健闘を祈る一言が打たれると、それを最後に文章の打ち込みは途絶えた。


「どういう事だ?あんたは誰なんだっ?」


 そのコメントの向こうに何者かの存在の気配を感じ、星宇宙はコンソールウィンドウに向けて呼びかけの言葉を発する。

 しかし、それで要件は終わりとでも言うように。ウィンドウは直後にモニターの電源を落としたように、パツっと消失してしまった。


「あっ、消えた……!……どういう事だ?」

「今のは、誰か?からの呼びかけだったのかナ?」

「にしては一方的過ぎるが……」


 星宇宙が訝しみ、モカは推測の言葉を零す。そしてそれに少しの不服の色でまた零す星宇宙。


《えっ、えっ、今のは何?》

《これもゲームの演出?》

《いや既プレイ勢だけど、こんなんTDWL5の演出に無いぞ……?》

《私MOD結構入れてるけど、MODでもこういうのは見たことない……》


 そして同じくそれを見ていた、視聴者からも困惑のコメントが流れる。


《ゲームマスター……的な何者かってコト……?》


 そしてそんな推察のコメントが打ち込まれた。


「ゲームマスター……俺とかモカの、いろんなイレギュラーの原因なのか……?」


 そのコメントを受けて、星宇宙は自身の身体を見下ろし、また隣に立つモカを見ながら。自身もまた推察する言葉を零す。


《星ちゃんは、その推定GMにTDWL5の世界に呼び寄せられた?》


 さらに続けてコメントに、そんな推察のコメントが流れる。

 詳細、真意は分からずじまいだが。現在の諸々の状況に原因を求めるならば、今の所はそれが最も納得できる所であった。


「……一つ推察できたけど、代わりにさらに色々謎が増えちゃったな……」


 そして、少し深めのため息交じりの言葉で、星宇宙はそう紡ぐ。


「謎が謎を呼んじゃったねぇー……どうするの星ちゃん?」


 それに同意しつつ、尋ねる言葉を掛けるモカ。


「うん……だけど、今の推定GM呼びかけもまた、ゲーム進行を指針として示していたように見える。やっぱり、ゲームを進めて行くしかないみたいだ」


 それに引き続きの困惑を見せつつも、しかし星宇宙は続けてそう一つの答え・指針を出した言葉を紡ぐ。

 結局変わらず、ゲームクリアが現状の唯一の導であった。


「モカ、まだ付き合ってくれる?」

「うん?当たり前だよっ!あたしたちは一蓮托生って言ったのは星ちゃんマスターじゃんっ!」


 そして星宇宙が向けた尋ねる言葉に。モカは何を今さらというように答える。


「よし、じゃあ引き続きヨロシクっ」


 その答えは分かっていた確認を終え、星宇宙は笑顔で言葉を返した。


《話が大きく複雑になってきましたね……》

《一旦、態勢整えたほうがよさそう》


 コメントには、今のそれぞれの状況に対してのコメントが流れる。


「うん、だからとりあえずはセオリー通り、カウストさんたちの村へ向かうよ。最低限の補給ができるからね。ただその前に、廃スタンドのロケーションにだけは寄り道する。あそこが武器MODの出現場所になってるから」


 そのコメントにまた答え、星宇宙は次に行動指針を説明する。

 途中、負担なく寄り道できるロケーションではまた有志作成のMOD武器アイテムが入手できるのだ。

 それを手に入れた後に、カウストたちの村であるロケーションを尋ね。そこで補給、休養を取る算段であった。


「よし、モカ。再開しよう」

「オッケーっ!」


 そして二人は一旦態勢を整える事を目的とし、各ロケーションを目指しての肯定を開始した。



――――――――――



 なんか伏線っぽい描写をしましたが、実の所なんも考えてません。

 元ネタがあって、それの雰囲気の真似っこをしたかっただけです。

 本当に申し訳ない。


 元ネタ分かってくれた人がいたら、作者は〝ぱらいそ〟なる涅槃に行く勢いでイきもうす。

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