毎朝の日課と本日のこっちと母

たぶん、時計がわかっているこっち。

仕事の日は父が、決まって朝ご飯を5時や6時にくれる。

そのせいで、休みの日。

母は、決まってこっちに噛まれて起こされるのだ。


しかも、こっちは爆睡中の母の起こし方を8年半過ごした経験から心得ている。

二の腕の柔らかい場所、手の甲、お腹の柔らかい部分をアマガミするのだ。

そして、気持ちよく寝ていた母は『痛いーー』と目覚めるのだ。

痛いと目覚めたら、何故かこっちは片目を瞑って怯えている。

いやいや、あんたが起こしたんやろと突っ込みをいれながらスマホを確認。

6時だった時は、あーー、ご飯かってなるんだけど。

4時半や5時の時が最悪。

どうやって、二度寝させるか。

どうやって、まだご飯ではないと納得させるか悩むのだ。


子供で言うとだだっ子と同じ。

『まだだよ』と言えばいつご飯を食べさせてくれるのだと噛みつき亀が発動する。

しかし、折れてご飯をあげてしまうと母が目覚める時刻にご飯をもらっていません。欲しいですと鳴きながら抗議を始めるのだ。


なので、お腹をすかしていても父があげる時間までは我慢させなければならない。


そして、本日こっちが起こした時間は5時。

まじかーー。

母は、どうしたものかと頭を悩ませる。


『まだだよーー、まだーー』

そう言うと今日のこっちは、お腹がすいてるのかイライラと噛みつき亀モードを発動し始めた。


【だったら噛むぞ】

『まだ早いの。もう少し我慢して。後、30分でもね』

【いやだーー。我慢出来ない】

『噛んだら危ない。痛いんだからね』

【そんな事しらない】


母は、それに折れてキッチンへ。

あっ、カリカリあげよ。【カリカリとは猫用ドライフードのこと】

常時カリカリと水は、食べれるようにしているのだけど。

少し前に、喉に詰まらせて食べなくなっちゃったんです。

《これは、また別に書きます》


小袋に入っているカリカリだけは、平べったいから食べてくれるんです。

そちらをお皿に投入し、こっちに献上して母は布団へ。

二度寝しようと寝るが、なかなか眠れない。

こっちがカリカリと音をたてながら、食べているので成功したのがわかった。

しばらくして、こっちが香箱座りをしている。

どうやら、満足されたようだ。

安心して寝ようと思ったら、父がトイレに起きてきた。


時刻は、5時20分。

トイレから出てきた父に母はすかさず『こっちがお腹すいてるみたいだよ』告げる。


チラリと時計を見ながらも父が朝ご飯を入れ始めてくれた。

ゆっくり用意してたから、5時40分とかかなーー。


『こっち、お父さんがご飯入れてくれるって』

【まじか!行くわ】


とこっちが向かうと何故かはーちまでもやってきた。


【飯だ、飯だ】と母の視線の前を軽快に通りすぎた。

おお!間違いなく二度寝できる。


二度寝した母は、お便所争いの喧嘩で起こされる事になる。

次は、お便所争いのお話です。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る