蘇生

「「「「「五芒星、集結いたしました!」」」」」


俺は椅子から立ち、息を吐く。


「お前達、魔国との戦いが近い…っと言うことは分かっているな?」


「「「「「はい、存じております」」」」」


「そこで、……私の独断の計画ではあるが、アーク、だったかな?計画係は」


「はい、殿様」


「見してくれ」


アークが一枚の紙を持って俺の前に平伏す。

俺はその一枚を手に取った。


「ふむ…アーク、戦闘員の配置を変えても良いな?」


「はい」


俺は魔力水でペンを作る。


「……アーク、これはどうかね?」


俺はアークへ紙を渡す。


「っ……!?こ、これは…素晴らしい発想です!」


「そうだろう?皆聞くが良い、待機場は空だ!」


「空…ですか?」


アルファードが顔を上げて俺に言葉を放った。


「あぁ、空。飛行艇疾風を使い、戦闘員及び五芒星全員を空へ放ち待機。俺が天候操作による薄い黒曇こくうんを空へ張り巡らせ、それと同時に結界を張る。そして、魔力水で出来た戦闘服、今お前達が着ている物を光らせ、星にカモフラージュさせる。そして……」



「一斉に奇襲を仕掛ける」



「「「「「っ………!?」」」」」


「そ、その発想は見逃してました…流石です!殿様」


「あぁ、それで…お前達五芒星を呼んだ理由は、他にもある。それは…バハムートを仲間にした」


「「「「「…………え?」」」」」


「主様、えーっと……説明をお求めしてもよろしいでしょうか?」


「ノート様、私からもよろしくお願いします」


「殿様、私も」


「僕も」


「あ~えーっとだな…」


そうして五人に一部始終を説明した。


「な、なるほど…まだ頭が追いつきませんが、大間かな内容は理解しました。まさか、私達竜族の始祖がまだ消滅していなかったことは、驚きました」


「バハムート、約百年前位に封印されてからまだ存在していたとは…それを見越した主人様は流石ですねぇ…」


いや、まぁシルフィードが教えてくれたんだけど…。


「まぁ、俺からお前達に話したかった事は以上だ。久しぶりに顔を見れたしな。あぁ、それとフェランにこの国のことを話しといてやれ。いずれ幹部になるだろうしな。あー、アーク、頼む」


「承知いたしました」


「それでは、もう下がって良い。ご苦労、此れからも頼む」


「「「「「勿体ないお言葉で御座います。それでは、我々はこれで」」」」」


そうして、五芒星の五人は、部屋から出て、各任務に就いた。


そして俺は、とある場所へ向かった。


◆◇◆◇◆洞窟◇◆◇◆◇◆


「ここが…」


そこは、デッドスケルトンの巣穴の洞窟。


「あ、これか?」


俺は、死体の山場を漁り、まだ最近殺された女性の死体を出した。


「ペンダント…あ、やっぱりこれだ」


フェランから聞いた所によると、フェリアさんは緑色のペンダントをつけている。そこで、俺は区別出来た。


「…こんな綺麗な女性を殺すとは、ま、いずれ殺すからいいか」


俺はフェリアさんを抱え運ぶ。

そして、洞窟の出口付近まで来たときだった。


「…あ」


デッドスケルトン一家が帰ってきた。

一家、つまり、ボスも含めて。

目の前には、某妖怪アニメに出てくるような巨大ながしゃどくろみたいなやつがいた。


「はぁ、まぁ先に片付けれて良いんだけど」


俺は、練習していた。

コードを使うとなると、オーラがでてバレてしまう。

だから押さえようと頑張ったけど、「ノート・オブ・ザ・キル」

しか押さえながら発動させることが出来なかった。


でも、雑魚相手には良いよね。


ノートは魔眼を一気に開眼させると同時に、コードを発動させた。


元々五十体位いたデッドスケルトンは、一気に壊滅した。

ボスも瞬殺だった。


そして、ノートは歩き出した。

すると、一つ違和感に気づく。


……?一匹逃しちゃったな。数え間違えた。

ま、一匹位そこまで脅威じゃないだろう。

フェランでも二体倒したし。


俺は、オーバーローズへ帰った。


◆◇◆◇◆王座の間◇◆◇◆◇◆


「さてと…」


俺は、指先に魔力を集中させ、フェリアさんの体に糸状の魔力を注ぐ。


そして、回復魔法による傷口の完全治癒と、内蔵の傷を治した。


後は…心臓と脳だ。


魔力認知により、俺はフェリアさんの心臓と脳を確認した結果、心臓は回復魔法でも治癒が出来ないほど損傷しており、脳も同じ。


だけど…魔力を注げば人は蘇生できる可能性がある。

こっちの世界では魔力が人を動かす力でもある。

そうでもない人もいるが、それはただの農家だったりとかだ。


そこで、俺は昔、九歳くらいの時に修行で魔物を倒していると、その死体から魔力が抜けていくのを認知した。

此方の世界では、俺は回復魔法だけど、普通は回復呪文や、魔力により傷や致命傷を防ぐ。

だけど、魔力が抜けるとそれも不可能。


つまり、魔力が抜けた死体に魔力を注げば、蘇生が出来る。

それは、粒子級に精密で細かい魔力となると尚更だろう。


だけど、それは魔力量が膨大でなければならない。

魔力が完全に無くなった死体に、体内へ魔力を血のように循環させるようになると、魔力が人一人分位は無ければならない。


だけどそれは魔眼を使えば解決が出来る。


そして、俺は魔眼を開眼させ、フェリアさんへ膨大な魔力を注ぐ。


すると、みるみる心臓、脳は傷や傷口が塞がっていく。


そして………。


「………ん?…ここは…」


そうして俺は、「」をも支配したのだ。

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