蒼き星への訪問者 三大の旧支配者バハムート
支配者だとぉ?許さん、俺以外に支配者は必要ない!
俺は目を細め、バハムートを睨んだ。
「支配者?俺が支配者だ。お前に譲る気は無い」
「まぁ、そうだな。我はもう、旧支配者だ。昔はこの宇宙の三分の一を支配していたが、今はとある勇者により、この有様…。我と同じ他二柱の旧支配者は、別々の星に我と同じように封印されたまま……ところで、貴様は何故我に会いに来た。要件を言うが良い」
バハムートは少し切ないような言い方で話した。
要件?そんなの決まってる。
「俺と闘え。すれば封印は解いてやろう」
「……それは真か」
「あぁ。これでも俺は約束は一応守る」
「クックックックァハハハハハ!!面白い。先にこれを解いて見せよ。そすれば我も貴様と闘おう」
バハムート低い声で高笑いをした。
「良いだろう。『コード』……」
俺は今回は魔眼を開眼せずに使った。
宇宙空間では、魔眼を開眼したとしても、量が限られるからだ。
そして、ノートの周りや上下に、今までと同様呪文文字が浮かび上がり、ノートを包んでいる。
そして、ノートに一度集まり、腕を伝い手のひらの前に魔の玉が出来上がる。
「『カット・オブ・ザ・キル』」
そして、俺はそれを握り潰した。
その後、その破片は斬撃と化した。
そして、バハムートを縛っていた巨大で太く頑丈な錠を難なく破壊した。
「ほぉ。貴様、やるではないか」
「当たり前だ。さぁ、早速始めて貰おうか」
俺はもう一度『コード』の準備をする。
だけど、殺してしまっては面白くない。カットとか、そんなのにしておこう。
「良いだろう。さぁ、こい」
「フフフ、行くぞ。『カット・オブ・ザ・キル』!」
斬撃がバハムートへ飛んで行く。
それをバハムートが巨大な黒と赤の羽で斬撃の軌道を乱し、バハムートには当たらずだった。
「次は此方からいかせてもらおう。
スキル詠唱をした瞬間、バハムートの周りに宇宙より黒い渦が幾つも現れた。
その渦からから現れる物は、槍のように鋭い糸のような物がノートに向かって飛んで行く。
ノートは、それをヒラリヒラリと、ロングパーカーを翻しながら避ける。
だが、一つの糸がノートに命中するが、
「ははっ!こんなもんかよバハムート!」
「ほう?よく避けた物だ。貴様は強い、認めよう」
「まだ本気を出してないぜ?こんな物で降参とは呆気ないだろう」
俺は両手に二つの刀を持つ。
「お前も本気でこいよ…。バハムート!」
「…良いだろう。言葉に甘えさせて貰う!」
俺は両手に構えている
それに連れ、バハムートはカウンターを仕掛けた。
だが、ノートは
そして、ノートは二本の刀を離し、ただの魔力水へと変化させる。
バハムートの肉体は再生しようとするも、ノートの魔力水により妨害され、再生が遅れる。
「上手い戦い方だ。貴様、名はなんという」
「支配者ノート、ガヴァ・ノート。いや…
「久しい強者に心を打たれたぞ。この様な愉快な気持ちになったのは、『
龍竜対立決戦?
なんだそれ。
《『龍竜対立決戦』、約百五十年前に起きた、竜と龍による対立に終止符を打つために行われた最終決戦の事です。》
バハムートって、そんな昔から居たのか。
益々強さに興味が湧く!
「バハムート、最後にお前の奥義的な物を見せてくれ」
「……良かろう。だが、手の内を明かすということは、代償として、貴様も見せてくれるのか?」
「あぁ、一つね」
奥義ではないが、一つ前の物を見せることにしよう。
「先に行くぞ。漆黒より
バハムートの周りに漆黒の丸い球体が姿を現にする。
その球体は、紅色の螺旋を浮かび上がらせる。
すると、時空が歪んだ。
なんだ?手のひらをから何かおかしな感覚が…。
何か違和感を感じたノートは自分の手のひらを見る。
すると、破壊されかけていた。
ピリピリと、徐々に壊されていく手は、とても悍ましいかった。
「なるほど。バハムート、これは俺の勝ちかもしれない」
「どういうことだ?」
「今に見よ……」
「我が身に集いし魔力よ、今高鳴りを見せよ……。壊竜は今、我に負す………!」
俺は右手をバハムートに向ける
「『ドメイン・ザ』………」
「……!?」
バハムートは、生まれて初めて、ここまでの恐怖は感じたことはなかった。
神に等しい力を持つバハムートは、『死』という恐怖は感じ無かった。
だが、何故だろう?『死』を感じる…。
バハムートは、恐怖心を押さえようとも押さえることが出来ない自分に屈辱を感じた。
「『ノット・リカバリー』………」
破壊されてゆくノートの手のひらに、呪文文字が集まり、手のひらに呪文文字を帯びた魔力の塊がもう一度出来上がった。
「『オブ・ザ・キル』……!!!!」
ノートは、その塊を天高く投げ飛ばした。
その瞬間、呪文文字を帯びた魔力の塊は光を纏いながら破裂した。
すると紫の、月を包むほどの結界を張り、紫光が領域内全てを包み込んだ。
バハムートも、ノートも、月も、全て。
バハムートは、悟った。
(あぁ、これが、死ぬということか…)
その紫光は、美光だった。
『見とれる』ほどの言葉では表せない、満点の星空が全てそこにあるような、そんな光だったのだ。
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