集結されしシステムローズ
ん?そーいえば。
俺は疑問に思った事二つをシルフィードに質問する。
あのさ、波動詠唱持ってなくても回復魔法は使えたよね?
どして?
《回復魔法は、この世界ではとても珍しい魔法です。兵士達の大体は回復ポーションや治療を行っております。そして、回復魔法は、詠唱を必要としない代わりに、対象の人物名、種族名などを言わないといけません。》
え!?
俺が持っていた回復魔法そんなに強いっていうか凄かったの?
だからシリウスやアルファードとか驚いてたのか…。
《回復魔法は使えませんが、別で、回復呪文という、詠唱を必要とする呪文はつかえます。》
なるほど、魔法では珍しいけど呪文はあるのか。
で、後、猫獣人族って破滅した、とかアルファードが言ってたけど、魔王から捨てられた奴の中にいたよね?それは?
《ただの猫族は健在ですが、白猫族は彼女だけです。違いは魔力の量です。猫族より白猫族の方が格段と多いです。》
なるほど、そういう違いがあるのか、中々にややこしぃ…。
まぁ、シルフィードが居るからまだ大丈夫だな。
居なかったら今頃俺は途方に暮れてるはずだ。
居てくれる事に感謝だ。
「主様、ちょっとお聞きしたい事が」
その時、シリウスが俺のことを読んできた。
「ん?どうした」
「あの、アルファードを襲った奴隷売りから金銭を奪ったのですが、肝心の飲食物がなくてですね」
「あぁ、つまり買いに行くと?」
「はい、で…その…」
「ん?」
シリウスが顔を赤めて、下にうつむいている。
「私と…で、でー」
シリウスが何かを言いかけている時…。
「主君様!今すぐお買い物に行きましょう!」
「え?あ、うん」
急に手を捕まれて引っ張って飛行艇から降りた。
あまりにも急だったから設定が一瞬なくなってしまった。
そうして、俺とカノープスは買い物に出かけた。
シリウス大丈夫かな…?
その時カノープスの心の中では…。
(あの雌狐め!主君様を独り占めしようとしても無駄です!)
注意、狐なのはカノープスの方である。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
買い物中喋ることがないので、疑問に思っていた事を質問する。
「ねぇ、カノープスはなんで逃げていたの?」
「それは、あの子達の事を看病しているときに、死体漁りだと勘違いされまして、逃げていると雪が崩れ落ちてしまったのです」
「へー」
「あの、主君様?」
「ん?」
「どうしてそのような喋り方を?」
あ、やべ、設定忘れてた。
言い訳は…聞くわけないよな。
こうなったら、もう開き治るか。
そっちの方が楽だし。
「ここは町中だし、普通に喋るときはこれでいこうかな?そっちの方が気が楽でしょ?」
「はい、主君様が良いのであれば」
「あ!あれ可愛い!」
カノープスがネックレスを見つけ、店へ走る。
なんか普通にデートみたいになったな。
まぁそんなこんなで買い物を終わらせた俺達は、飛行艇疾風に戻った。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「今帰った。あ、それで話がある」
「はい?」
「別の喋り方の方がこれから町とかに行くときに楽だと思うから、今この喋り方にしようと思う。大丈夫?」
「はい、ノート様が良いのであれば」
アルファードが返す。
そしたらシリウスがいかにも怒っているだろう声で言う。
「はい…私も同意見です。それとちょっと
「ちょ、引っ張らないで」
シリウスがカノープスの腕を引っ張り連れて行く。
どうしたんだろ、シリウス。
「貴方、私と主様との時間を奪って、覚悟は出来てるんでしょうね?」
「そんなの早い者勝ちでしょ?」
「なんですって?二等星のくせに!」
「貴方は一等星だからって主君様に十分に仕えるか分からないでしょう?その小さなスイカを見れば分かるわ」
カノープスはシリウスの胸を見ながら言った。
「っ…!?、貴方!そこは不可侵領域でしょ!」
「あら?私を救ってくださったときの主君様の視線はとても凄かったですよ?」
カノープスは自分の大きいスイカを自慢するように見せつけながら言う。
「ぐぬぬぬぬ……!」
「おーい何やってるの?ご飯出来たよー。アルファードが作ったけど…」
俺は何も知らないから普通に声かけしてしまった。
あんな激戦だとも知らずに。
「「あ、はい…」」
「「…………」」
「この仮は絶対に返します…!」
「望むところです…!」
何話してたんだろ。
まぁ、いいや。
後余談だが、この世界についてシルフィードに聞いた所、この世界は「魔力」と、「魔元素」っというもので覆われているらしい。詳しく聞くと、魔力は魔法やスキルなどを使う為の力で、魔元素はその魔力の元素。
魔力によって構成される魔法や魔法陣、スキルは魔力がなければ出来ないわけで、つまり、沿って行くと魔元素がなければ使えないということだ。
魔元素は、この世界では宇宙線から発生し、この地に降り注ぐエネルギー型の元素、それが魔元素である。
魔力が出来る工程はこう、宇宙線から生まれた魔元素は、この地の引力によって引き寄せられ、そして地に降り注いだ後、魔元素は酸素と化学反応を起こし、魔元素が一つに集まり形成され作られる力、それが魔力らしい。
スキルについても聞いておいた。
スキルとは、難しく言うと、「自己特化型攻撃技」っという。
それは、自分が必死に力をつけ、魔力コントロールにより生み出せる技、それを磨き上げた自己特化の技、それが
そうすると、女神から貰った物と、ユニークスキル模写分解は人のスキルなどを奪えるらしいが、それを使ったりすることは出来ないのではないのか?女神から貰った物は現に使えているのは何故?っという疑問が浮かんだ。
女神から貰った物は、女神により力を最初から貰えるので使用可能、模写分解は、その時に奪えると、使い方の耐性も付くので使用可能らしい。
なるほど、後それと、模写分解などではない世界に認められていない方法でスキルなどを奪ったとしたら使えないらしい。
この世界については何も知らないことばかりだったけど、シルフィードのお陰で結構分かるようになってきた。
すると、船の右側から爆発音が聞こえてくる。
「「「っ…!?」」」
船が爆発した?!
おいおい面倒事はもう勘弁だぞ。
その時、船が傾く。
「うわぁぁあ!」
「キャー!」
「雌狐!さっきまであんなに強がってたのにもう降参?」
「はぁ?んな訳ないでしょ!このまな板!」
「なんですって?!」
「お前らこんな状況で喧嘩してる場合か!」
「「っ…!すいません…」」
「あれ?アルファードは何処に?」
シリウスが周りを見ながら言う。
「ノート様、シリウス様、カノープス様、私は此方に」
そこにはカノープスに踏み潰されたアルファードがいた」
「わぁ!アルファードすいません!」
俺は傾いた疾風の出口にむかって飛び、外に出た。
そこには、龍らしき生物がいた。それは、日本神話とかによく現れてくるその龍がいたのだ。
「りゅ、龍!?」
そうすると、黒髪のショートカットで、黒いしっぽをした犬の獣人が背中から降りてきた。
「お願い!しんちゃんを助けて!」
「え?」
俺はともかく龍に回復魔法をかけ、怪我をしていた犬の獣人にも回復魔法をかけた。
っていうか「しんちゃん」って、神龍だからしんちゃん?
某国民的アニメキャラじゃないんだから…。
そして、俺は話を変える。
「ところで、お前達はどこから来た?」
俺はちゃんと設定を守って話す。
「はい、私達は日国の龍と…」
「元ヴィーダの獣人です」
「ふむ、で、何故主君様の船に突っ込んできたの?」
「それは、すいません。ひたすら逃げていると、体力が尽きてしまい、止まることが出来ませんでした…」
「まぁ、回復魔法が機械とかにも効いたから良かったが…」
「あの…良いのでしたら配下に置いてくれませんか?私達はもう居場所がありませんし…良いのでしたらよろしくお願いします」
「お、お願いします!」
神龍が頭を下げた後、続けて犬の獣人も頭を下げる。
「ふむ…良かろう、お前達は今日からこの「システムローズ」の一員だ。お前はアークと名乗れ、龍。そして、犬の獣人、お前はベガだ。そしてこれをやろう」
俺はアークには薄いオレンジ色のロングパーカー、ズボン、ブーツ、手袋、そして、俺と同じシャツ、ベガには雪色のロングパーカー、ズボン、ブーツ、手袋、俺と同じシャツを装備させる。
名前でアークとは、アークトゥルスの頭をとってアークだ。
「…!ありがとう御座います」
神龍はみるみる人の姿になり、人龍化する。それは、美しく、青の瞳に黄緑色の髪の毛で、髪型はショートボブの龍人であった。シリウスと同じように。そして俺は服を着せる。
まぁ、同じようになることは想定してたから、ぴったしになったのはそれもある。
《報告、解放者千八百八十二人以上を解放したため、エクストラスキル「解放する者」を獲得しました。エクストラスキル「解放する者」と、ユニークスキル「主権独占」の一部を溶解、融合させ、エレメントスキル「
ロード…なんだ?詳しく頼む。
《エレメントスキル「
スキル名「
スキルレベル「エレメント」
内容
解放した者は自分(解放者)に平伏し、魅了される。
解放した者の支配が可能。
エレメントスキル「
注意、このスキルは強化系スキル、攻撃ではない。
ほぅ、つまりは強化系スキルって訳ね。
ん?アレ?なんか…意識…が…。
「主様!」
「主君様!?」
「ノート様!」
「主人様!」
「殿様!」
《大幅なスキルの獲得により、
あ、がちヤバイ…あ………。
あれから五日。
俺は船のベットの中で目覚める。
「あ!主人様起きましたか?」
「う…お前は、ベガか」
「はい!僕はベガと主人様に頂きました!あ、こうしちゃいれない、シリウス様やカノープス様に伝えなきゃ!」
ベガは走り出す。
そして、俺はベットから起き上がる。
「主様、お目覚めになられたようで何よりです」
「あぁ、シリウス」
「この五日。あの二人にはしっかりと教育しました。あの「バカ」とは違い、三人は聞き分けのよい子で良かったです。あ、それと…」
多分、バカとはカノープスの事だろうな…。
シリウスは宝箱を俺の目の前にゴトン!っと置く。
「これは?」
「奴隷売りから巻上げた物です。この町の奴隷売りは全てと言って良いほど壊滅させました」
……え?
ちょっとまて、俺が寝てる間何があった?
「え、何があったの?」
「あぁ、まずは軍資金集めとして動いたまでです。それでは主様、此方へ」
俺はシリウスについて行く。
「「「ご回復、おめでとう御座います」」」
「あ、あぁ、ありがとう」
……堅苦しい!
まぁ、大丈夫大丈夫、俺は支配者になる男…大丈夫大丈夫。
よし、話を変えよう。う~ん、あ、そうだ!
「よろしい。面を上げよ」
シリウス達は顔をあげる。
「我が出迎え、ご苦労である。そこでお前達に称号を与える。お前達をシステムローズ
「「「は!有難き幸せ!」」」
こうして、結集されたシステムローズ。
これからは心強い仲間達と共に、俺はこの世界の統一支配に一歩踏み出した。
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