第2話 軍事チート能力者と獣人族①

「はあ、はあ、誰か助けて!」


「「「待て!」」」

「クソガキ!獣族め。出て行け!」

「さらった子供達を返せ!」


 おっ、女の子が襲われている。

 助けなきゃ。


 バン!バン!バン!


「ギャアア」

「何だ。倒れたぞ!」

「一端引け!」



 ・・・・・



「有難うございます。助かりました」

「いえ、危ないところでしたね。では、これで」


「いえ、お待ちください!護衛をお願いしたいですわ」


「そうか。分かったよ。どこまで行くの?」

「ラクドの街ですわ。お父様がおります。お礼が出来ますわ。是非!」



 僕は石川太一、高校生、この世界に転生してきた。

 異世界だ。

 僕の能力は日本の武器を召喚できる。

 魔力を対価にするみたいだ。



「フフフフ、すごい武器ですね」

「ええ、20式自動小銃と言います。失礼ですが、この世界は初めてで、獣人族の方ですか?」

「ええ、山猫族のミミーと言いますの」

「可愛い耳ですね」




 ☆☆☆ラクドの街



 僕はミミーの家に着いた。

 大歓迎された。


「有難うございます。ミミーの父、ギヤルと申します。ミミーをつけます。しばらく、我家に用心棒として、逗留して下さい」

「はい、そうさせてもらいます」


 僕はここで、護衛の仕事をもらった。


 しかし、この都市の人族は差別をする。

 ミミーのお父さんは、商会を開いている。

 ドブさらいや、廃品回収、それだけでも、良い収入があるみたいだ。


「大変だ。サランの所で、人族と諍いが起きている!」

「分かった!」


 時には、話し合い。問答無用で、銃を撃った事がある。


「おい、聞け。こいつは、鶏を盗んだ。だから、折檻をしているんだ!」

「嘘です!私は対価を払いました!」

「ほら、そう言っているよ」


 バン!


「ギャアアア」


 足を撃った。こいつら、ポーションがあるから余裕だろ。


「危ないところを助けて頂き有難うございます」

「いいえ。しかし、人族は横暴ですね。同じ人族として、謝罪します」


 ゴソゴソ


「あれ、何をしているの?」

 人族の男の懐をあさっている。

「ええ、賠償として、この男から、お金を取っています」

「あ、死んでいる」


 時にはやりすぎもあった。

 この世界は平和な日本とは違う。



 この都市数万人規模で、約500人の山猫族が住んでいる。


 他の種族の獣人族も住んでいるが、交流はないみたいだ。


「おっ、狼族だ。こんにちは」

「タイチ様、あれは敵対種族です。話しかけてはいけません。人族にこびる獣人族の面汚しです」


「ケッ、異世界人、騙されるなよ」


 ペッとつばを吐いて、去った。

 いろいろあるんだな。


 しかし、さすがに、手が足りない。

 20式を召喚して、山猫族の男衆に分けることにした。



「これが、あれば無敵だ!」

「「「有難うございます!」」」



 ・・・・



 ある日、商会に10人の子供達が連れて来られた。人族の子だ。


「あれ、何をしているの?この子たちは?」

「人族の孤児たちです。親無しで、食うに困って道ばたでたむろっていました。孤児院はヒドイ所で、逃げ出したのでしょう」


「へえ、感心だね」

 ストリートチルドレンか。ギヤルさんはいい人だな。


「育てて、商会をもり立ててもらおうと思っています。人族は計算や細かい作業ができますからな。猿獣人族はこうはいかない」


「なるほど、君たち、良かったな」


 ビクン!


「お兄ちゃん。何故、人族なのに、山猫の味方なの?」


 はあ?こんな小さい子も差別をする。

 深刻だ。


「お待ちください!この子たちは孤児院の子です!公園に遊びに来ていた子たちです。

 女神様の名に誓って、この子たちは奴隷ではありません!」


 店先にやってきた。あれは、女神教の聖女?護衛騎士までいる。


「さあ、坊や達。行こう」

「誘拐だ。ギヤル、逮捕する!」


 乱暴だな。


 ダダダダダダダダ!


 僕はフルオートで撃った。

 全員倒れているが、店がめちゃくちゃになった。


「グハ、ウウ」

「お前が、噂の異世界人か。ああ、女神様よ。何故、このような試練を与えたもうた・・・」



「あれ?生き返らない。治療魔法を使えないなんて、聖女失格だな」


「タイチ様、聖女殺しは大罪です。決起しましょう」


「そうか。国盗りか」

「ええ、タイチ様が、この王国の王になれます」


「よし、覚悟を決めた。こちらには、最強の武器がある!兵もいる」


「「「「ウオオオオオオオオオーーーーー」」」



 この日のうちに、ラクドの街を制圧した。

 これで、差別のない国を作れるぞ!


「タイチ様、お慕い申し上げていますわ」

「ミミー!」


 正式に結婚し、街を統括した。


 行政庁には、領主が一人残っていた。


「領主が逃げ出すわけにはいきませんからな。領民と家族だけは逃がした!」


「狼族や他の獣人族も無理矢理逃がしたの?」


「はあ?貴方何も知らないのか?こいつらは・・グフ!」


 バチン!


 あ、山猫族の兵士が銃床で殴った。


「タイチ様、こいつは嘘つきです。それよりも、今後の事です!」


 まず。第一希望は、王国からの独立。それが、かなわなければ、自治区の承認。


「アクア伯爵、使者やってくれるね。王国と交渉をしてくれ。これは、異世界から来た勇者の依頼だよ」


「伯爵、孤児らは、我が方で預かっています。安心して下さい」

「分かった・・・」(つまり、孤児は人質であると言うことか)


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