巫女の儀式 ぬいぐるみを着せられ責め立てられて…
MenRyanpeta
第1話 神社のタヌキのぬいぐるみ
夕暮れ時。
ここはとある地方の神社。
お賽銭箱の奥にある小さな本殿、閉じた扉の先である儀式が行われていた。
本殿内、といってもワンルームほどの広さしかない。
奥には土地神を祀っている神棚がある。
そして部屋には普段敷かれていない魔法陣のようなものが描かれた真っ白なふわふわの毛布、その真ん中に茶色のもこもこしたタヌキのぬいぐるみが置かれている。
おおきな白いお腹、短い手足、丸い尻尾…とても可愛らしいデザインだ。
そして股間の部分には二つの丸いふくらみ、キンタマ袋もついている。
大きなテディベアくらいの大きさでちょこんと可愛らしくお座りしている。
生地は表面がファー素材で細かい起毛が立っており、抱いたらとても肌触りがよさそうだ。
しかし異様な点が何か所かある。
それは口の部分。
舌が出ていてそこだけ妙にリアルなつくりをしているのだ。
その口からは涎まで垂らしている。
デフォルメされて丸く可愛らしい容姿との対比でその異様さを際立たせていた。
そしてこのぬいぐるみが一番怪しい点は肩が上下していること。
あの丸く可愛らしい白いお腹もよく見ると少し動いているようにも見える。
そう、これはただのタヌキのぬいぐるみなどではなく、中に何者かが入れられているのだ。
こんなもこもこの分厚いぬいぐるみの中に…
「はぁ…はぁ…あぐぅ…」
中に入れられてしまった人の苦し気な呼吸音が本殿内に静かに響いている。
本殿の外、参拝者がやってきた。
参拝者が賽銭箱に小銭を投げ入れ、鈴を鳴らす。
ガランガラン!
「んぐぅ!!」
鈴の音と連動して本殿内のぬいぐるみがビクン!と体を震わせ、何かうめいている。
首を横に振ったり、もがいているようだ。
二礼二拍手一礼と参拝を済ませた参拝者はもう一度鈴を鳴らす。
今度は力強く。
ガランガランガランガラン!!
「むぅぅ!むぐぅ!!」
また本殿内のぬいぐるみが鈴の音に反応し、背を弓なりにグッと反らせた。
そのまま後ろに転がってしまい、ひっくり返った亀のように短い手足をジタバタとさせてもがいている。
「んうぅぅ!!んっ…むぅぅぅ!!!」
腰のあたりをビクン!っと大きく震わせた後、ぬいぐるみは動かなくなった。
いや、よく見たら小刻みに体を震わせている。
そして肩を激しく上下させ、唯一開いている口から激しく呼吸をしている。
だらしなく涎をだらぁ…と垂らして。
参拝者はそんな本殿内の様子は全く知らず、神社を後にした。
本殿内にはまたぬいぐるみの息遣いと、何かが振動しているような音が響き渡っていた。
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