晴れ時々ネコ

 ある朝、ネコの鳴き声で目が覚めた。


 うちにネコは居ない。

 近所で時々見かけるが、そんなに多くはない。


 気になって窓を開けると、よく晴れた空からネコが降っていた。


 意味がわからないと思うが、オレにもよく分からない。

 三毛、黒、白、キジ、茶トラ、さばトラ、、、などなどなど、

 あらゆるネコが空から、

 キャットタワーの上から降りてくるように軽やかに、雲を足蹴にひょいひょいと、

 降ってくる。


 昔、ブタが降る絵本だかなんだかあったなぁ。

 それのネコバージョンかな、なんて、

 寝ぼけた頭をかいた。


 寝起き。

 そうだ、これは夢だ。

 こんな非現実的なこと、あるわけがない。


 そう思ったところで目が覚めた。


 やはり夢だった。


 とはいえ、あのモフモフにまみれたら、

 とてつもなく気持ちが良いのではないだろうか。

 ブタではなくネコだったのだから、

 せめて思う存分にモフッてから目覚めたかった。


 そう思いながら窓を開けると、

 庭を埋め尽くさんばかりにネコがいた。


 辺りを見回すと、そこら中がネコだらけ。

 夢じゃなかったのか?

 それともまだ夢の中にいるのか?


 オレは思案した後、とりあえずモフッてから考えることにした。

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