魔法に凍えて消えるまで

@huru0502

第1話 魔法使い断罪



地球が氷河期に入った。よく津波が起きる前は引き潮になると言われているがそれが地球温暖化だったみたいだ。長年悩まされていた地球温暖化は終わりそれが引き金になったように猛烈な寒さが人類を襲った。その影響は凄まじく作物は育たなくなり、南の国々は急な氷河期に備えることができず壊滅状態北の国々も人間が生きれる寒さをとうに越し生き残った人はだれもいない。ここ数千年で一気に人口は減ってしまい人類がおよそ3分の1の数まで減少した。そんな絶望状態の地球に一人の魔法使いを名乗る男が現れた。彼は自分は異世界から来た神の使いで君達が言う魔法なるものを使うことが出来ると言った。何にも希望を見いだせずただ生き物が滅びゆくのを見守ることしか出来ない人類は普通だったら信じるはずの無い胡散臭い男の言葉を信じ、すがり、崇拝した。魔法使いが現れて1500年、人類は残り1000万人。


「魔法使い様、いつになったらこの絶望状態の地球を救ってくれるのですか?!かれこれ貴方様が来て1500年となります。そろそろ我々も限界です。」

「大丈夫です。僕が、必ず皆さんを救います!なので今はお願いだから1人にさせてください!」

魔法使いは焦っていた。あと何年で人間は絶滅してしまうのか。この急な人類減少化のせいで文明はほとんど無くなってしまった。電子機器などは遠い昔の存在になり、言語の読み書きができる人も少数となった。今の人類の生活はほとんどが1人の魔法使いの手によってなりたっておりそれを理解出来る頭を持つ人もほとんどいない。故に今まで崇拝されてきた魔法使いは何年経っても地球を救えない、人類に何も貢献しない銭泥棒となってしまっているわけだ。

(どうしよう。そろそろこの地位が危うい、もしも魔法使いとしてここにいれなくなったらもう研究は出来なくなる。完全に人類が滅んでしまう。僕が…至らないばかりに。)

「すみませーん!!生活用魔法石無くなったので魔力補充お願いします。」

(そうだ…僕がしっかりしないと、僕の魔法の力も年々弱くなってる、もし魔法が使えなくなったら氷河期うんぬんの前にみんなが生活を送れなくて死んじゃう。)

そう思っていた矢先、魔法使いの城に人類が攻めてきた。何百年にも渡って凍えてきた人達が起こした見当違いの革命であった。

「罪状…1つ目に1500年も私たちを裏切って金を奪い続けた。2つ目に…………」

教育を受けて来なかった民間人はいつの日かに見た公開処刑を真似るように不慣れな物言いで罪を淡々と述べていった。

(あることないこと色々ある。でもそれも全部僕が悪いんだ。確かに1500年も研究に莫大なお金をつぎ込んだ。いくら人類のためだからと言って…失敗した研究だっていくつもある…)

「よってこの者達を最果ての地アステルに送る。」

民衆がザワつく。判決を言い渡された貴族の中には絶望しているやつや叫び出すやつがいた。

(アステル、何百年も前に滅んだ北の町。僕は魔法があるから生きていけるけど。ここにいる人達につけてる加護は数百年しか持たないから近いうちに戻らないと、意外と緩い罰だな。いやでもこれもしも普通の人間だったら死んじゃうから実質死刑なの……かな?)

「最後に言い残すことは?自称魔法使い」

(言い残すこと……)

「僕がこの星に来た1500年前…今よりももっと多くの観衆につつまれて迎えられました。あの時いた人達の子孫ももうほとんど死んでしまいましたね。僕は一生懸命にやったつもりだったんです。でも思ってた以上に結果が出なくて焦りました。大切な、突然現れた僕に優しくしてくれた人達は次々に死んでいく。僕がもっとちゃんとやっていれば助けられたかもしれない命、これから助けていけるはずだった命全ての者に申し訳ない気持ちでいっぱいです。アステルでも変わらずこの国の平和を祈っております。」

(これが今の僕の気持ち。ほんとにみんな…ごめん…)



補足編

実刑が下される瞬間のこと

「おい。俺らアステルなんか行けねぇのにどうやってこいつら送るんだよ??」

その後なんとか魔法使いがいい感じに口を出しつつアステルに繋がってる海から船に乗せて流すという刑に変わった。

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