ライフISライフ
CryEndToDay
第1話 フリーISフリー
「朝ですよ」
「朝とはなんだ」
「なんで哲学はさむんですか」
「不思議とは思わないか」
「そうですね、朝とはスタートみたいものではないですかね」
「なるほど、面白い、ではな」
「いえ、なんで布団かぶるんですか」
「始めたいことなどないからだ」
「なるほど、では今日のアフレンスコラ・ラビュッセ、食べちゃいますね」
「なんだその奇怪な名前のものは!!!」
「ショートケーキのことです」
「なるほどつまり君は、ご飯をひとじちにしたんだな!!!」
「いや、変な解釈しないでください」
「そうやって、甘いものをちらつかせれば落とせるなどと思うなよ」
「別に恋じゃないですよ」
「いいや朝からショートケーキを選定するあたりで、すでに付き合い立てほやほやのバカップルがやる、御託が目に見える!!!」
「アニメの見過ぎです」
「何を言う、私は知っているぞ、世の中は小説より奇なり、つまり、私の知るアニメ界を超えた、アンビリバボーがこの現世いや、ここにあるのだと」
「そこまでとは、致し方ありません、この世の中の事教えてあげましょう」
「お、おお・・・まさか変身するのかおまえ・・・?」
「ええ、しますとも!!!先生がね!!!!」
「ちょっとまて、なんで、私のふくをひっぺりがす!!」
「早く仕事着に着替えないと、先生の大切なフィギア、全部、食べますよ!!!」
「フィギアはしょくがんじゃないぞ」
「いえ、実は子供向けのしょくがん系のフィギアはかじっても大丈夫なんです」
「えええ???うそだろ」
「本当です、」
「でも体に悪いだろ」
「なら私を止めてください」
「わ、わかった、起きる起きるって・・・」
「良かった、それとフィギアは食べれませんので」
「うん、いや、そうなんかい・・・」
「では、まずは何を食べますか」
「ショートケーキあるんだろ?」
「ありません!」
「え?」
「全てうそです」
「信用無くすぞ・・・」
「いえ、先生にはいい着付け薬です」
「私はどう見えてるんだよ・・・???」
「七つの大罪に匹敵する、堕落の使者、アウグストですかね」
「いや、全然伝わらん」
「もっと聖書を読んでください」
「いや、洗礼が怖くて、そういう本は読まん、」
「でもクリスマスは知ってますよね」
「ああ、知ってるが、信じてるのではなく、流れにのまれてるだけだ」
「やはり、先生は、ダメですね」
「なぜだね」
「流れの中に身を置いていれば、いづれ取り返しのつかない後悔をしますよ」
「なんだ不安をあおるなよ」
「人は誰しもが生きてる、それは奇跡みたいなものです、それをただないがしろに命を軽視して、事を及んでは、本気で生きてる人に失礼です」
「説教はごめんだ、」
「そうやって、都合のいい解釈をし続ければ、やがては自身を失っていくだけです」
「何を言う、私は生きてる事を軽んじてはいないぞ、死は怖いし、怖いものも苦手だ」
「だからです、それですよ」
「なんだ、まったく君の言いたいことがわからない」
「人は死が怖いのではないんです、人が本当に恐れてるのは、自由を失う事です」
「自由?」
「はい、生きている、それは如何様にも選択できて、行動出来て、あまつさえ叶えることさえできる、それは自由です、その自由を失うことがどういうことか、それが怖いんです、自分が自分を動かせなくなった時、人は初めて死ぬんです」
「哲学だな」
「先生は、今、私の設問に対して、どれほどの熱意がありましたか、それがどうあれ、先生は自身の自由を脅かすと思えば、嫌に思えるんです、それが死です、最も近い死のマインドなんです」
「そうか私たち人間は自由である、すなわち生きている、という事だったんだな」
「ええ、人は誰しもが自由であり、自殺者の多くも自由がなかった人達です」
「そうか、では私は君の話が呑み込めにくいのも、自由を奪われると思ったからか」
「はい、先生は、つまらない本があったら最後まで読みますか?」
「そうだね、読まないだろうね」
「それが生きている証拠です」
「では好き嫌いの基準も自由かどうかという基準に置き換えることができるんだな」
「ええ、自由とは大概、おおざっぱなものが多いです、つまり、突き詰めるほど、好き嫌いという選択になりますね」
「なら好きなものがあると言う事はそれだけで自由である証拠か」
「ええ。」
「じゃ、行こうか」
「どこへ?」
「自由が丘へ」
「なんですそれ」
「いいじゃないか、まだ旅は始まったばかり、よろしくな助手」
「ええ、こちらこそ」
そうして二人の話は始まる。
これは一見日常を生きてる二人が、言葉を重ねるだけの物語である。
内容は濃くも薄くもなく、汎用的な、自由奔放であることを、ここに承知願いたい。
それでは、次話でお会いしよう。
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