笑い、戦う
丈三太郎
プロローグ
プロローグ
その日僕は働いていた。
介護施設で働いていた。
その施設内にいる従業員は僕一人。
休憩時間だった為少し横になって休んでいた時に、コールが鳴り響く。
コールを自分から鳴らす人も居ないし、きっと利用者様が起きてマットコールが反応したのだろうと向かおうとしていた所だった。
急に目の前が明るくなり僕は光に包まれた……。
そして段々と身体の感覚が無くなっていった……。
死んだ訳ではないはずだ。
死ぬほど疲れた訳でもない。
腰と膝は痛かった。
でもそれも職業柄仕方のないことだ。
なによりもこうやって思考できている。
っていうかさっさと行かないと、転んじゃう!!!
身体の感覚が戻った時、最初に感じたのは少し窮屈な感覚、その後すぐにぐいっと押し出されるような、引っ張り出されるような感じがして……。そして少し後、息を吸い込みゆっくりと目を開ける。
目の前に居たのはニコニコ笑顔の巨人の化けものだった……!
「ぎゃああああああああああああああああああああああ」と言ったつもりが出てきた声は……。
「びゃあああああああああああああ、んぎゃぁ?」あまりにも声は高く、……まるで赤ちゃんみたいな声に、……あれ?なにが起こってる?
混乱している間にぐいっと動かされ、次に出てきた顔は……。
汗をかいた顔が真っ赤な巨大な角のない鬼……。
怖がりの僕は、本気と書いてマジでびびって叫ぶ!でも僕から出てくる声はどう考えても赤ん坊の声だった。
僕は、生まれた赤ん坊で、そしてこの二人が僕の両親だったのだ……。
でもそれがちゃんと認識できたのは気絶で眠ったのか疲れて眠ったのかは分からないがその眠りから覚めた時で、それまで色んな人が代わる代わる顔を覗きに来て、ビビりの僕は急に来る顔が一々怖すぎて泣いていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます