5話 大会レギュレーションとフラグ
401:イッチ
さっき話してた金髪碧眼美少女をボコしたんだけどどうしたらいい?
402:名無し
>401 は?
403:名無し
なんでそうなったのか、小一時間問い詰めたい
404:イッチ
金髪碧眼美少女が俺のことが嫌いで生徒会に入るのを拒否
↓
生徒会長「どうにかして金髪碧眼美少女を生徒会に入れたい」
↓
過去の資料で生徒会に関するものを決める際、決闘を行う文化があったことを知る
↓
ほな俺と金髪碧眼美少女を決闘させたらいいやんけ
↓
当然俺が決闘でぼこぼこにしました
405:名無し
決闘で決めるっていつの時代だよ
406:名無し
金髪碧眼美少女をボコボコにしたんか。また炎上するぞ
407:名無し
いい加減炎上しないようにする努力をしてくれ
408:名無し
それで結局、お前がボコボコにした子は生徒会に入るんか?
409:イッチ
決闘で決めたことだからってしぶしぶ了承してる。素直な子でよかったわ。
でも、なんでかな。決闘前より俺に対する評価が下がったような気がする
410:名無し
>409 そらそうなるだろ。なんで仲良くなれるって思ったんや
411:イッチ
熱いバトルをした後は仲良くなるって少年漫画の鉄板じゃん
412:名無し
熱いバトル(一方的なリンチ)
413:名無し
むしろなんで行けると思ったんや
414:名無し
草
「あ~あ、楽しかった」
決闘場を後にした出た俺は誰もいない廊下でつぶやく。それは誰かに対するお世辞でもなく、ただ心の底から出た本心だった。結論、彼女は俺との勝負に負けて生徒会に入ることになった。とはいえそんなものはどうでもいい。俺が考えているのは決闘の内容だった。試合自体は俺の圧勝だったが、あの決闘を経て俺は彼女に光るものを感じた。
「次戦うときはどんな風になっているかな」
再戦が楽しくなってきたな...なんて思いながら寮に戻る。
翌日、俺は学内で炎上した。
◆
俺が炎上に気づいたのは食堂で昼飯を食べていた時だった。学食を食べるために食券売り場に並んでいるとなにやらひそひそと声が聞こえた。まあ学校内でひそひそ噂されるのは日常茶飯事だから特に気にしていないのだが、俺が気にしたのはひそひそ話している内容だった。
「あの人だよ。新人戦で優勝した子をいじめた人」
「最悪だな。人としてどうかと思う」
「俺、新人戦で勝った子のファンなんだけど許せねえわ」
何やら昨日の決闘の話が湾曲して広まっているらしい。悲しいなぁ...俺はただ新入生をドスで滅多刺しにしただけなのに。いやよく考えたら自分のやってることやばいわ。JKをナイフで滅多刺しって普通に考えたら110番案件じゃん。ちくしょー、なんも言い返せない。
「いろいろ噂になってるな」
一人肩身が狭い思いで飯を食べていると月島綾人が声をかけてきた。よくよく考えてたらこいつ、普段から俺とつるんでるのに誰からもヘイト買ってないのっておかしくないか?なんでだろう、やはり顔なのだろうか。
「やっぱり顔か...」
「ちょっと待て、何の話だ?」
「いやこっちの話だよ」
うわぁ~、笑顔がまぶしい。そりゃあ学校内外限らずモテモテになるわけだわ。あ~やだやだ、人生いやになっちゃうね。
「まあいいや。で?今度はなにしたの?」
「語弊を生む言い方をすると新人戦の子をボコボコにした」
「あぁ~、なんとなく察したわ。お疲れ様」
ごめん。多分モテてる理由は顔じゃなくて中身だわ。この察しの良さと慰め方、たぶんこいつ天性のイケメンだ。いいなぁ、これで冒険者としても強いわけでしょ。神様がキャラクリでもミスったのかな。
「ところであと3日だけど大丈夫か?」
「なにが?」
「とぼけんなよ。もうすぐ今シーズンの大会が始まるじゃん」
「あぁ~、どうしよ。今年参加やめようかな」
「マジで何いってるの?日本中が注目してるのにさ」
「悪い意味で注目してるわけでしょ。やだなぁ、来週からマスコミ地獄か...」
「がんばれ」
大会に参加するかしないかだけの話でマスコミが群がるんだから困ったもんですよ、ほんとに。でも彼らはそれが仕事なわけだから如何せん俺は彼らのことが好きになれない。
「とりあえず大会の出場登録は済ませとくわ」
「今大会からレギュレーション変わってるから気をつけろよ」
「おう。忠告感謝する」
彼が言うには今年から大会のレギュレーションが変わっているらしい。どれどれ何が変わったのだろうか。
【レギュレーション変更のお知らせ】
・冒険者免許を所持していない場合は出場ができません。
「冒険者免許?なんだそれ」
「まさか持ってないとかいうんじゃないだろうな」
「ごめん。持ってたんだけど普通に期限切れてた」
「はー、なにやってんだか。ところで再取得ってどうやるんだっけ」
「どれどれ…講習とダンジョンでの実地試験?これ何日かかるんだ?」
「調べてみたら最短で2日らしい。間に合うか?」
「最短でやるっきゃないな」
というわけで俺は失効した冒険者免許の再取得のために講習を受けないといけなくなった。果たして大会の出場登録までに間に合うのか。まあ間に合わせるつもりではあるんだけどね。それよりも大会の運営君もひどいよねぇ。なんも通達もなしにレギュレーションを変えるなんて。え?1か月前に通達してた?連絡を無視した俺のせい?うーん前言撤回、大会の運営君はやさしいねぇ。
◆
翌日、国営ダンジョン管理局(通称、冒険者ギルド)にやってきた俺はまじめに講習を受けているわけだがやはりここでも視線が痛い。やっぱりどこに行っても俺は嫌われ者ですよ。まあ彼らの目線なんてどうでもよくて肝心なのは俺が冒険者免許を取れるかどうかだ。ひとまずは今日の講習をクリアしたため、あとはダンジョン内での実地試験だけなのだが、講習の終わりにダンジョン管理局の事務員から驚きの発言が行われた。
「安全のため、明日の実地試験はグループを組んで受けてもらいます。グループはこちらで決めさせていただきます」
衝撃の事実である。なんと試験をクリアするには実地試験をグループで突破しないといけないらしい。ほんで肝心の俺のグループはというと…
「俺こいつと組むの嫌なんだけど」
「近寄らないでほしい」
「きもいんだけど。辞退してくれない?」
とまあ予想通りというかなんというか散々なものである。いやー人気者は困っちゃいますね、ははっ。なんて冗談はさておきほんとにまずい。これで仲間割れでも起こしてみろ。俺が出場登録できなくなっちゃうだろうが。まあでも見た感じ強そうだし大丈夫だろう。チームの雰囲気は最悪だけど、戦闘スキルはみんな悪くないし、チームとしての組み合わせも悪くない。これなら明日のお昼にはすでに合格していることだろう。異常事態が起きない限りだけどね。まあでもまさかこのタイミングでスタンピードが起きるなんてことはないだろう。はっっはっは!
「なんでこんなことになってるんだよ」
翌日ダンジョンの試験を受けていた俺たちは運よくスタンピードに遭遇していた。フラグはあまり立てないほうがいいということを身をもって実感する羽目になった。
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