第48話 忍者くんwith遊び人の冒険譚
これはとあるプレイヤー2人の話である…
みんなこんちゃでござるよ!
オイラはFLOで忍者の職業についているミドリムシなのでござる!
最近ではストーカーとか言われてるけど気にしないでござる!なんてったって今人気が出始めた首狩り狐の行動が面白くて追跡してしまうでござる…魅惑のスキルでも取ってるのでござるかね?
狐さんといつも一緒にいる天使ちゃんことテイムモンスターの子が可愛いのでござるよ!正しく天使…はぁはぁ…
あんな人型のモンスターをテイム出来るなんて狐さんは運が良いのでござる…オイラなんか鴉でござる…痛い!嘴でオイラをつつくなでござる!別に嫌なんて言ってないでござるぅ!
そんな事より今回のイベントで狐さんはどんな行動をしてくれるのか楽しみでござるよ…毎回の如くオイラ達、掲示板民を楽しませてくれると良いのでござるが…
狐さんはお決まりの西の森では首狩りを始めたでござるな…天使ちゃんも槍で刺し殺してるでござる…あのコンビはなんでいつもあんなに楽しそうに狩り続けるでござるかね…
周りのプレイヤーはドン引きしてるでござるよ…
ボスエリアに突入したでござるか…なら先回りしてるでござるよ。
<西の森>川辺セーフティゾーン
さて…そろそろ来てもいい頃でござ…来たでござる!
狐さんはここで休憩でござるね。
天使ちゃんにブラッシングされてる狐さんは良いのでござる…あの首狩りの光景を疑うような蕩け顔でござるな…
ん?ほかのプレイヤーが近づいて来てるでござるな…少し様子を見てくるでござるよ!
<遊び人サイド>
ふっふ〜ん♪
イベントが始まったって事は狐さんは絶対にここでまずは狩りをするはず!
初めて目撃したあの日から私はあの狐さんの虜なのよ〜ふっふふ〜ん♪
あの尻尾を振りながら歩く姿なんて…もう…もう!堪んないわよ!ほんとに!
この西の森で見かけた時は恐怖に怯えたけど…それは過去の話しよ!今の私は怖くなんてないもの!狐愛が勝ってるんだから!
さてと〜愛しの狐様はどこにいるのかにゃ?
ん?一瞬だけどマップに反応があった?狐さん?でもマーカーは1つだったよね?
うーん…とりあえずダーツでも投げてみますか。どうせプレイヤーだったら当たらないしね〜。PKもフレンドリーファイアも実装されてないし大丈夫だよ…ね!
遊び人は反応のあった場所に武器であるダーツを投げつけた。するとそのダーツは何者かによって弾かれた。
「危ないでござるよ!一体何を考えてるでござるか!この女性は!」
「あら?隠れてる方が悪いんじゃないの?まるで監視してるみたいでキモかったんですけど?監視?そして忍装束…もしかして掲示板のストーカー忍者?」
「誰がストーカーでござるか!違うでござるよ!そんな貴女は…チャラそうな服装に武器がダーツ…もふもふうるさい遊び人でござるか?」
「もふもふ言ってなにが悪いのよ!ござるくんはあの狐様の尻尾をモフりたくないの?!私はモフりたいの!」
「おぅ…そうでござるか…それよりオイラはそろそろ戻るでござるよ」
「戻るって…まさか!狐様の居場所を知ってるのね!教えなさい!はきなさーーい!!」
こうして忍者と遊び人は出会ってしまった。
2人はこの先掲示板でこう呼ばれることになる…
『諜報部隊(モフりストーカー)』
と…
「とりあえず忍者忍者呼ぶのは辞めるでござるよ。オイラの名前はミドリムシでござる」
「ぶっ!ミドリムシって…なんて名前つけてるのよ。私は
「わかったでござるよ…ついてくるでござるよ」
2人はシウが休憩をしていたセーフティゾーンに近づき遠目から観察していた。
「はぁはぁ…狐様の尻尾を私もブラッシングしたい…はぁはぁ」
「はぁはぁうるさいでござるなぁ…少し静かにするでござるよ蒼紫殿…」
2人の背後から何か動く音がして二人同時に振り向くと森狼が1匹現れた。
すぐ様蒼紫はダーツを投げつけ、その間にミドリムシは忍刀を手に持ち斬りつけていた。
森狼を駆除した2人は再びシウの方に顔を向けるとシウたちの姿は無くなっていた。
「見失ったでござる?!なぜに?!」
「ありゃ?ほんとだね〜なにかあったのかにゃ?」
「くっ…とりあえず掲示板の皆に報告をするでござる…」
「私も書き込も〜もっふもふ〜♪ほらミドちゃんも一緒に言うわよ!もっふもふ〜」
「なんでオイラまで言わないと行けないでござるか…」
「もっふもふ!もっふもふ!さんはい!「もっふもふ!」」
掲示板に2人は書き込み居なくなったシウを探すべく動き始めた時であった。
セーフティゾーンから駆け出すシウを発見したミドリムシはすぐ様掲示板に書き込み移動を開始する。
その時、蒼紫はうっとり顔をして走り出していた。
「揺れる尻尾…はぁはぁ…噛みつきたいぃぃぃ…」
「この人は危険でござるぅぅぅぅ!!」
アインスドットに戻ったシウを見つけしばらく2人はストーキングをしていた。
森の隠れ家から出てきたシウを再び追いかけ宿屋に入るのを見ると、
「ふむ…宿屋に入るということはログアウトでござるな…この時間からログアウトと言うことは夜にまた来る可能性があるでござる…」
「それなら私も一旦ログアウトしようかな〜ミドちゃんはどうするの?」
「オイラも少し休憩してくるでござる」
「それなら1時間後にまたここで落ち合うわよ!きーまり!んじゃ1時間後にね〜♪」
「な!勝手に決め…移動するのが早いでござるよ…もふレディは…仕方ないでござるね…少しだけ行動を共にするでござるか…はぁ」
1時間後、2人は合流してシウが現れるのを物陰で待っていた。
午後8時になるとシウは宿屋から出てきて南に向かっていった。
それをストーカーコンビは距離を置いてついて行く。
フィノス湖に向かっていったシウを追いかけていたがミドリムシはなにかの気配を感じ取った。
「…何者かがいるでござる…普通のプレイヤーではないでござる…嫌な感じがするでござるよ…」
「なんか寒気がするのはそのせいなのかしら?なにかくる!」
2人の前に現れたのは全身黒いゴブリンだった。
手には刃こぼれしているショートソードを2振り持っており双剣スタイルである。
ダークネスゴブリン Lv43
「ゴブリンでござるか…しかしこのゴブリン、様子がおかしいでござるよ…色もでござるが、双剣持ちなんてゴブリンでは見たことないでござる…しかもこんな所に現れることすらおかしい…」
「そうね…ゴブリンは王都付近じゃないと現れないしね…それがなんでこんなところ…に?!」
黒ゴブリンは素早く走り出して蒼紫に斬りかかってきた。
しかし蒼紫はなんとかバックステップで回避をして直ぐにダーツを投げつけるが刺さることはなく皮膚で弾かれていた。
「ダーツが刺さらない?!それなら【運試し】!」
蒼紫はスキルである【運試し】を使った。
スキル【運試し】
サイコロを3つ投げ出た目によって効果が変わる。
攻撃、状態異常、回復のどれかが発動する。
運試しを使った結果、黒ゴブリンの周りに落ちたサイコロが爆発を起こし黒ゴブリンにダメージを与える。
「やりぃ!回復が出たらごめんだったけどね〜」
「博打でござるか!とりあえずオイラもいくでござるよ!【瞬歩】からの【短刀】アーツ…蒼牙!」
【短刀】アーツ
蒼牙
氷属性の付いた斬撃を素早く行う。
レベルが上がる事に連撃数が増える。
ミドリムシの蒼牙は4連撃で終わりすぐ様違うアーツを出す。
「【風車】からの【爆裂苦無】でござるよ!」
逆手に持っている忍刀を横に振ると斬撃が黒ゴブリンに向かって飛んでいき、左手に持った苦無を黒ゴブリンに投げる。
当たると同時に爆発が何度も起きた。
「あまり使いたくなかったけど…これでおしまいだよ!チェーンブレイズ!」
蒼紫は武器をダーツから鎖に変えていて黒ゴブリンに鎖を巻き付けると同時に鎖から炎が上がりだす。
灼熱の炎によって黒ゴブリンは消し炭になっていた。
「蒼紫殿…その鎖は一体なんなのでござる?」
「あー、私の最初の職業は鎖使いなんだよね〜そこから遊び人にジョブチェンジしたんだよね。あまり鎖好きじゃないから使いたくなかったのよ」
「まぁ詮索は辞めておくでござる…それより時間が掛かってしまったでござるな…すぐに狐さんを追いかけるでござる!」
蒼紫とミドリムシは走り出したがしばらくすると再び黒ゴブリンが現れたのだ。
「またでござるか!嫌な予感がひしひしとするでござるよござる!狐さんにもきっとこの黒ゴブリンが現れてるでござるよ!今の狐さんでは倒せないと思うでござるよぉぉ!」
「うーん…ここは引き受けるからミドちゃん先行して狐さん様の所に向かったら?このゴブリンなら私一人でも倒せるし」
「かたじけないでござるよ!」
「ちゃんと助けないと私が許さないからね!ほら、ダッシュ!」
蒼紫は黒ゴブリンのヘイトを自身に向けるためダーツを投げ続ける。
その隙にミドリムシは黒ゴブリンの横を通り過ぎた。
「どこにいるでござるか狐さんは!」
フィノス湖に近づくと声が聞こえた。
「おいおい…こんなの勝てるわけねーだろ!逃げるぞキュリア!」
「了解なのです!」
「影縫い!キュリアは結界を自分に張っておけ!」
「でもマスターが危ないのです!」
「俺より自分の命を大事にだ!くそ!もう解けやがった!効くかわかんねーけど…黄色の矢!」
シウとキュリアがブラッディオーガと戦おうとしている所を見つけたミドリムシ。
「なんでござるか…あのオーガは…ゴブリンではないのでござるよ…くっ!狐さんが危ないでござる!」
ブラッディオーガがシウに近づき斧を振りかぶる。
「間に合うでござる!【瞬歩】!」
ミドリムシは忍刀を手に持ち瞬歩を発動させブラッディオーガとシウの間に入り込み斧を弾いてみせた。
「させないでござるよ!!狐さん!今のうちに逃げるでござるよ!今の狐さんでは無理でござる!早く!」
謎の忍者が現れたことによりシウは戸惑っていたが、
「は?え?よくわからんけどありがとうございます!」「なのです!!」
「気にする事はないでござるよ!ここはオイラに任せて早くいくでござるよ!」
「フレ登録だけ送っておくんで今度お礼させてください!すみません!」
シウは忍者にフレンド登録を送りすぐ様走り出していった。
「むふ…後をつけていたらこんなラッキーがあるなんて…掲示板のみんなに自慢出来るでござるよ…ぐふ。それよりこのオーガを倒さないとでござるよ」
シウが走り去っていくのを見届けるとオーガは再び斧を振りかぶり襲い掛かってくる。
「これを防ぐのは無理そうでござるな…忍びとしての実力…発揮させてもらうでござるよ!【忍術】分身!」
ミドリムシはオーガの攻撃を避けると同時にスキルを発動させ5人のミドリムシが姿を現した。
スキル【分身】
自分の分身を作ることが出来る。
レベルにより作れる数が変わってくる。
ステータスは本人の5分の1。
「さぁオイラたち!殺るでござるよ!」
「「「「「ござる!」」」」」
分身達は様々なアーツを使いながらオーガを蹂躙する。
苦無を投げては爆発させたり、足元に投げつけ凍らせたり、忍刀で目を潰したりなど様々な攻撃を繰り出していた。
オーガも黙ってはおらず、斧をめちゃくちゃに振り回して近づいていた分身たちを消していく。
「そろそろ頃合でござるな…狐さんも無事に逃げきれたと思うでござるからトドメをさすでござる…【変化】部分変化…ドラゴンアーム」
スキル【変化】
レベルにより部分的に形を変えることが出来る。
Lv10 ドラゴンアーム
※自身を全て変化させるにはレベル50必要。
「さぁ…砕け散るでござる!!!」
ミドリムシはドラゴンアームで力強くオーガを殴りつける。
それだけの攻撃でブラッディオーガの体に穴が空き後ろへと倒れ、光となっていく。
「あれ〜もう終わってたの?てか狐様は?!」
ブラッディオーガを倒すと同時に蒼紫がやってきた。
「狐さんは無事に助けたでござるよ。今はもうアインスドットに戻ってると思うでござる」
「それならよかった!ミドちゃんも無事なの?」
「当たり前でござるよ。こんなデカブツに遅れは取らないでござるよ!それより聞いて欲しいでござるよ!」
「ん?どったの?なにかレアドロでもしたの?」
「激レアでござるよ!なんと!あの!狐さんからフレ申請が来たでござるよぉぉぉ!!!いよっしゃぁぁぁぁ!!!」
「……はぁぁぁぁぁぁ!!?なんでストーカーのあんたがフレ申請とかされてんのよ!」
「先に行かせた蒼紫殿が悪いんでござるよ!へへへ!」
「ふざけるなぁァァ!!その申請を私によこせぇぇぇ!!」
蒼紫は鎖を出してミドリムシに打ちつけようとする。
「無駄無駄無駄ぁぁぁぁ!攻撃は全く意味が無いでござるよ!ここは逃げるが勝ちでござるぅぅぅ!!」
こうしてミドリムシはシウとフレンドになる事になった。
しかし蒼紫は諦めておらずミドリムシと共に行動をする事を決めた瞬間でもあった。
「掲示板の皆にちくってやるぅぅ!!そして殺されてしまえぇぇ!!!」
「辞めるでござるぅぅぅ!!」
▽△▽△▽△▽△▽△▽△
PN:ミドリムシ Lv63
種族:人間
メイン職業:忍者(3次職)
サブ職業:記者
HP:560
MP:650
STR:406
VIT:333
INT:360
MND:233
AGI:530
DEX:290
ステータスポイント0
スキル
【短剣術Lv46】【短刀術Lv53】【忍術Lv35】【変化Lv22】【瞬歩Lv33】【隠密Lv55】【気配遮断Lv75】【不意打ちLv44】【気配察知Lv75】【立体機動Lv25】【調教Lv10】【投擲Lv63】【分身Lv15】【空歩Lv33】【魔力自動回復Lv55】【身体強化Lv40】【一撃必殺】【金剛】
称号
【追跡者】【記者の誇り】【ストーカーキング】
PN:蒼紫 Lv52
種族:獣人(猫)
メイン職業:遊び人(2次職)
サブ職業:鎖使い
HP:390
MP:499
STR:422
VIT:246
INT:390
MND:350
AGI:260
DEX:350
ステータスポイント0
スキル
【投擲Lv33】【鎖術Lv50】【運試しLv10】【銭投げLv13】【魔力上昇Lv33】【風魔法Lv33】【幸運】【剛力】【気配察知Lv37】【気配遮断Lv56】【瞬足】【不屈の魂】【イカサマ】【蛇の目Lv29】
称号
【ストーカー見習い】【獣の天敵】
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