9.みんなでお昼ごん、ウササの順番待ち
「さぁ、これで藁は終わりだ!!」
「うん!! よいしょ、よいしょ……。できた!!」
「ようし!! 最後まで頑張ったな!! 後は餌箱に餌を入れれば、本当に終わりだぞ。さぁ、餌を入れてあげてくれ。ニニンはご飯のお昼ご飯の後にあげるんだろう?」
「うん!!」
先に他のお野菜を食べてもらって、ニニンは、僕達はここでお昼ご飯を食べるから、その後に僕がウササにあげるんだ。
コケコの時みたいに、パパが餌が入っているこのバケツを持ってきてくれて、僕がその木のバケツの中から野菜を掴んで、どんどん餌箱に入れていきます。
ウササはお野菜大好きだからね、いっぱい入れておいてあげないと、すぐになくなっちゃうんだ。今日いっぱい入れても明後日にはなくなっちゃうの。
だからお掃除は1週間に1回だけど、餌だけは2日に1回あげにくるんだよ。そうしないと怒られちゃうの。コケコみたいに、前にパパが攻撃されるのを見たことがあります。
「よし、これくらいで良いだろう。さぁ、ママの所に行って綺麗にしてもらえ。それでみんなでご飯だ!」
「うん!!」
友達ウササといったんバイバイ。またすぐに戻ってくるからね!! 友達ウササが肩から降りたら小屋を出て、藁を敷き終わってから、先にお昼ご飯の準備に外に出ていたママの所へ行きます。
ママは地面にシートを引いて、そこにご飯を並べ終えて、お皿を並べている最中でした。シートは特別なシート。魔獣さんの力を借りて、シートみたいな物を作って、それを使っているんだ。地球の運動会とかピクニックで使うシートと似ているよ。
「終わった?」
「うん!! いっぱいごはんいれてあげた」
「そう。じゃあ綺麗にしましょうね。ここまで汚れているのなら、ささっと魔法で綺麗にしちゃいましょう。でも綺麗にしても、一応は手を洗いましょうね」
ママが魔法で僕の体を綺麗にしてくれます。ええと、クリーン魔法? 汚れているところを綺麗にできる魔法です。ママはクリーン魔法がちょっとだけ使えるんだ。パパは使えない。それから魔法にはレベルがあって、ママのクリーン魔法は弱いって言ってました。
……魔法はとっても難しい。お話聞いても良く分からないんだ。パパもママももう少し大きくなったら分かるようになるって。僕ね、大きくなって魔法を使うの、とっても楽しみだけど。でも、ちゃんと魔法が使えるようになるかちょっと心配です。
だって魔法が使えるようになったら、パパとママと森や林、海とか川、色々な場所へ行って冒険したいんだ。それでもっとたくさんの、お家にいる魔獣さん以外の魔獣さんと会いたいの。
「さぁ、体は綺麗になったわよ。じゃあ次は手を洗いましょう」
今度はお水の魔法を使ったママ。ママはお水の魔法と風の魔法が得意です。パパは火と土の魔法が得意。あ、でもね、ママもパパも得意な魔法以外も使えるよ。
ママが水魔法を使うと、ママの手の上に水が溢れて、それが集まって、僕の顔よりも少し小さい、水のボールができました。その水のボールの中に手を入れて手を洗った僕。洗い終わったら、お水ボールがふわふわ動き始めて花壇の方へ。そのままお花の水にしたよ。
「さぁ、お皿を並べるお手伝いをしてくれる?」
「うん!」
ママからお皿を受け取って、順番に並べていく僕。その間にパパもウササの小屋から出てきて。洋服はママがクリーンで綺麗に、手はお父さんが自分で水魔法を使って綺麗にしました。さぁ、お昼ご飯!!
今日のお昼ご飯は、魔獣ベーコンとウシシのミルクで作ったチーズ、それからレタスに似ているお野菜が入っているサンドイッチと。お鍋ごと持ってきていた、キノコのスープ。デザートもあって、デザートは僕の大好きなコケコの卵のプリンでした。
「「「いただきます!!」」」
いっぱい動いたから、すごくお腹すいてたんだ。だからすぐに食べ終わっちゃいました。それでね、パパが今日は初めてのお掃除頑張ったからって、パパのプリンをくれたんだ。僕嬉しくて、そのプリンもすぐに食べ終わっちゃったよ。
ご飯が終わったら、僕はウササ達の所へ。だってみんなニニンを待ってくれているから、早く戻らなくちゃ。
小屋に入って、ニニンの入っている籠の隣に座ったら、すぐに友達ウササが僕の肩に乗ってきました。とってもニコニコの友達ウササ。今、ニニンをあげるからね。
それから友達ウササが僕の肩に乗った後は、他のウササもすぐに集まってきて、1列に並んだよ。あのね、今までもウササにはいっぱいご飯をあげたんだけど、いつもみんな1列に並んでくれるんだ。
「せんとうのこ、どぞ!!」
僕がニニンを持って差し出せば、先頭に並んでいたウササが、サクサクカリカリ、ニニンを食べ始めました。その間に僕は反対の手で、友達ウササにニニンをあげます。どう? 美味しい? 今日の朝に取ったばかりのニニン。
美味しそうに食べるウササ。自分の分を食べ終えると、次のウササと代わります。そうすると次のウササが前に出てきて、ニニンを食べ始めました。う~ん、やっぱりみんなニニンが大好きだよね。
『きゅ!!』
あっ! ごめんね。ウササがニニンを食べるのを見ていて、友達ウササにニニンをあげるのが止まっちゃっていました。すぐにニニンをあげる僕。友達ウササがまた嬉しそうにニニンを食べ始めます。
「あれ、いつ見てもおかしな光景だよな」
「本来ウササなんて、好きなように生きる魔獣でしょう。他の魔獣も大体がそうだけれど」
「あんな並ぶ野生のウササなんていないだろう。まぁ、ここに慣れてるっていうのもあるかもしれないが。ウササだけじゃない、他の魔獣達だって、どうもアルフと関わる時だけ、行動がおかしくなる。俺や君のは、それ相応に接してくるが」
「そうなのよね。私ちょっと心配よ。魔獣に好かれているとは思うのだけど、それでもね」
「それにな、さっきコケコの小屋で……」
みんなにニニンをあげ終わった後は、少しだけみんなと遊んで。最後お友達ウササにまた遊びにくるねってお約束をして、バイバイをしました。コケコみたいにみんなが僕のバイバイしてくれたよ。
次はタートの所へ出発!!
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