2.僕のお家は魔獣園!!
「おはよ!!」
『メェ~!』
「おはよ!!」
『モオォォォ!』
「おはよ!!」
『ヒヒィ~ンッ!』
「おはよ!!」
『ガウガァ!』
「おはよ!!」
『ピュウゥゥゥ!』
「ははは、アルフ、全員に挨拶するつもりか? そんなことしてたらお手伝いする前に疲れちゃうぞ。そうだな手でも振っておけ。みんなそれだけで喜ぶだろうから」
そうかな? じゃあ声を出しての挨拶はおしまい。だってお手伝い前に疲れちゃったらダメだもんね。僕は言うのをやめて、ブンブンみんなの手を振ります。そうしたらちゃんと、みんな僕の方を見てくれて、それで挨拶してくれたよ。
「あ~、アルフ、そんなにブンブン手を振っても疲れるぞ。今日は遠い方のコケコの所へ行くからな」
「ちかくはいかない?」
「ああ。近くは昨日綺麗にしたからな。今日は遠い方だ。それに今日はライアンが来てるから、向こうはライアンが見てくれているんだ」
そうなんだ。僕、近くの方のコケコかと思ってたよ。ライアンおじさんは、僕のお家に時々お手伝いをしに来てくれる、パパのお友達です。
それを聞いた僕は、ブンブンじゃなくて、静かに手を振ることに。それでもみんなちゃんと挨拶してくれました。
挨拶……。さっきからみんな、鳴いて僕に挨拶してくれているでしょう。あのね挨拶をしていのは人じゃないんだ。魔獣なんだよ!!
えと、地球にはいっぱい動物がいるけど、この世界にはいっぱい魔獣がいるんだ。動物と同じ感じ。パパ達が朝話していたコケコもそうだし。
ウササもモルーもファイヤーフォースも。今荷馬車を引っ張ってくれてるローバーも。そしてそして今僕に挨拶してくれているみんなが魔獣なんだ。
あっ、でも地球の動物と魔獣だと違うこともいっぱい。この世界には魔法があります。パパもママも魔法が使えて。火の魔法に水の魔法、土に風に光の魔法。色々な魔法があるんだ。僕はまだ小さくて使えないけど、8歳くらいになると使えるようになるんだって。
その魔法を、魔獣さん達も使えるんだよ。でも時々火の魔法を使って、草を焦がしちゃったり、水魔法を使いすぎて、地面がドロドロになっちゃう時も。でも風通に魔法を使えば問題なし!
他に違うところは、地球の大きな動物は、キリンとかゾウとかで。でもこの世界の魔獣は、2階建ての大きさくらいの魔獣が、いっぱいいるんだ。それよりも大きい魔獣もいるみたい。だけど僕はまだ、見たことありません。
僕達が住んでいる街にはいなくて、他の街にはいるみたいだけど。後は時々森を移動しているところや、海を移動しているところを見られるかもって。僕はそれもまだ見てないんだ。
それから怖い魔獣もたくさんいます。地球にも怖い危ない動物はいたけど。その世界の危ない魔獣は、たぶん地球よりももっともっといっぱい。
だけどその代わり、僕達人と仲良くしてくれる魔獣もいっぱいなんだ。だからちゃんとお勉強しないといけないって、パパもママも言ってたよ。
あのね本当は怖い魔獣なのに、仲良しの魔獣のフリをして襲ってくる、悪い魔獣がいるんだって。そういうのをちゃんと勉強しないと、街の外の森に入っちゃダメなんだ。だって襲われたら大変だもん。
あっ、でもね。お家にいる魔獣は、みんないい魔獣さんばっかりだから大丈夫。どんな魔獣さんがいるかっていうと。
まずは森や林、岩場や川、海、色々な場所で怪我をしちゃった魔獣達。その子達を保護して、僕のお家にみんなが連れてくるんだ。
そしてそんな傷ついている魔獣さん達を、パパとママが治療して、怪我が治るまで、僕のお家にいてもらうの。
他には迷子になっちゃった、子供の魔獣さんを保護して。自分だけで自然で生きていけるようになるまで、お家にいてもらうんだよ。
それからね、怪我が治っても、大きくなっても、お家にいたいっていう魔獣は、そのままお家にいることも。
ただ、あんまり残る魔獣さんが多いと、怪我をした魔獣さんや、迷子の魔獣さんが、お家に来られなくなっちゃうでしょう?
そういう時は、魔獣さん達が自分達でお話しして、誰が自然に帰るのか決めてるんだって。魔獣さん達がそう言ってたよ。たぶん?
でもこの頃、それでも魔獣が増えてきちゃったから。もう少し土地を広げないとって、パパ達がお話しをしていました。
他にも嬉しいことがあるんだ。僕のお家には、魔獣さんを見にくる人達がいて。もし魔獣さんとお友達のなれたら、一緒にその人のお家に帰るの。
ちゃんとパパとママが、その人のことを調べて、それから魔獣さんが、本当にその人と友達になって良いのかも確認。魔獣さんがすこしでも嫌がっていたら、パパ達は絶対に魔獣さんをその人に渡しません。
時々それで、何でだって騒ぐ人がいるけど、その人はすぐにお家から出されちゃうし、もう2度とお家には入れないから大丈夫。
昨日も新しいお友達になれた魔獣さんがいて、迎えに来てくれた人と一緒に、ニコニコとっても嬉しそうに。僕にしっぱを振ってくれながら、その人のお家に向かって出発して行きました。
隣の街の人だから、今度会いに来てって迎えに来た人が。だから今度会いに行くんだ。それに時々、僕の住んでいる街の近くへ来た時、友達になった魔獣さんを、ここに連れてきてくれる人もいるから、僕は寂しくありません。
そんな魔獣さん達が、僕のお家にはいっぱい。魔獣さんがいない日はありません。一昨日も新しい魔獣さんが来たし。僕ね、僕のお家にいる魔獣さん達、みんな大好きなんだ。
それに地球にいる時は、最後、僕の大好きな動物園に行けなくて、とっても寂しかったの。だから今の僕のお家が、怪我をしていたり、迷子の魔獣さん達で心配だけど。魔獣さんがいっぱいでとっても嬉しくて。
僕のお家は動物園、ううん。僕のお家は魔獣園なんだ!!
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