S君
教えてもらった話。
S君はK県から特待生として富山県の高校に入学しました。
住まいは部活顧問を務める教師宅敷地内に建つ平屋の家屋で、同じく遠隔地から入学した先輩・後輩数名で暮らしていたのです。
彼が最上級生となった年のある日、就寝前のリラックスした時間に居間で後輩たちと写真を撮りました。
その写真に、写ったのです。
古く大きな家具調テレビのブラウン管一杯に、威嚇するプレデターとそっくりな何かが。
彼はどう思ったものか、当時日本テレビ系列で放送されていた番組に写真を投稿し、番組に出演することとなりました。
心霊写真ゴングしょーと銘打たれたコーナーに供された写真を見て、司会の一人I氏は「凄いね!身体は大丈夫なの?」と心配してくれたそうです。
写真を鑑定した僧侶のO氏は、
「これは邪悪な霊である。すぐに除霊が必要だ」と言い、その場でS君に座禅をするように床にすわらせると、経を唱え警策で彼の両肩を打ちました。
「除霊は終わりました。これで安心です」
O氏は断言しました。
それからどれだけ経った頃でしょう、O氏は詐欺で逮捕され住職を退くことになりました。
また、その頃に彼自身が言ったのです。
「私に霊能力は有りません」と。
教えてくれた人は、S君のその後や心霊写真がどうなったのかを知らないそうです。
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