ブラックモンスター
八戸三春
第1話
ブラックモンスター
1900年代、町は発展してった。
服はオシャレになり、街の交通機関など、設備が整った。
ここは東京、日本橋。
人が大勢通りながら、俺は細い歩道を歩く。
顔が見えない? しょうがないだろ、今日は風が強いから。ハットを被り、コートを着ながら俺はパンを買いに行く。
……車はあっちこっちに走ってて、しかも馬車がコツコツ鳴るので非常に騒がしい……。
気付いたら前に倒れた。
胸が痛い……。
どうやら胸を撃たれたようだ。
立とうとするけど、痛すぎて立ち上がれない。
「いてて……」
前はバニックになってる人々がいた。
しかもコートも染み付き、血が徐々にアスファルトに広がってる。
何者かに撃たれたことははっきりと分かったが、でも結局分からない。
銃弾が当たった所が激痛だった。
ここに病院があったとしてもそんな目と鼻の先にあるはずがない、この中にも治療する人はいない、つまり完全に詰んだ。
「大丈夫ですか!」と二十代の男性が、返事をするが喋ることも出来ない。
みんなが混乱してる中、一人だけ不審に下を向いて呟いてる者がいた。
はっきりと見えないが、赤いマフラーをしていて、後ろの顔はトカゲ? いや、ドラゴンで、しかも何か呟いてていて、微かに聞こえたのが「甲ではない……甲ではない……」って呟いてた。
それを見た瞬間そいつだと確信した。
そっから人型ドラゴンに撃たれて死んで……なぜ、彼は人の姿をしたドラゴンに殺されたのか分からない。
もしかして暗殺の可能性が高いのか。もしそうだとしたら意図的に殺されたのか? 確信という定かではないが、それ以外考えがない。
徐々に真っ暗になり、意識を失った……。
ここ妖魔界の宮清町は、近大文化や貴族の格好をして歩いてたり、学校や、西洋の建物は豪華だった……。
半霊達は建物も中世風で馬車も通ってる。
でも、これが平和的に続けれる訳無かった。
『侵入者』は入ってくるし、土地も奪われるわ、ろくな事がない。
目的は、この厄介な敵を倒すこと。化け物の姿をした、『奇怪』と呼ぶ。
奇怪は、この妖怪の中では悪の存在。
奇怪の種類は多いけれど妖怪達に潜んでる妖魔界の人口より少し、少ない。
だが、侮ってはいけない。奇怪の他に上怪、凶怪など、強大な力を持ってる。
それと、良い中では無い妖怪もいる。
種類はそこまで多くはないが、強い奴等が多い。
妖怪は善と悪がいるため、半霊にとっては非常に倒すのが困難。
戦う場所は『応化平原』俺は、ここの地形を上手く利用して戦うだろうと推理した。なので、対奇怪隊は全滅するだろうな。
元々ここは、緑豊かな場所で、草木が広がる場所だが、奇怪の勝手で、木などの自然が破壊された場所。
木が倒れてたり、草はほぼない、地面に煙吹いている所があるぐらいほぼ荒れてた。
薄暗い夜の場所で作戦をすることに、今日の任務は奇怪の破壊と略奪を阻止することだけど、疲労が溜まってて眠い。
第一と第二編隊で、防衛するのが我々の任務。
部隊はエリートを集め、恐怖を克服した者たち。
「きて……起きてください……」
優しそうな声がして起きてしまった。そうか、俺は睡魔に襲われて、ここで寝てたんだと生半可なことを思い出しながら目を覚ます。
「あっ……」と、つい寝てしまったことが散見された。いや、危ういところだった。
隊員なら良かったが、『上の者』だったら生命を奪われてもおかしくなかった。
気遣うのはいいので、起き上がった。
体を揺さぶられ、少し心配そうな目をしてる。
揺さぶるのを止めて「この状況でよく眠れますね」って言われた。
その時、隊長の声が、周囲に響いた。
『お前ら!! これは訓練ではない、これは死の戦いだ!奇怪なんぞこの武器で勝てる!早く倒し、この世界を守れ、いいな!!』
『ハイ!!』
「あ、ハイ」
まだ眠い……。
奇怪って言う名前は、確か架空名だった気がする。父からそう言ってた。誰がこの名前を名ずけたのやら。
でこぼこの地面で、胸あたりまではくぼんでる。
そこで向こうから大勢の奇怪が現れた。こっちの人数は1000人、向こうは3000人。
圧倒的な奇怪の数で、押し寄せてきた。
さすがの兵士も弱音を吐く。
『おい、やべぇんじゃね...さすがに勝てないよこの数……』
半霊生まれのこの主人公『北条 爓』理想的な主人公を期待してたけど
どうも普通の人だ。例えば勇者って伊達で、天賦の才を沢山持ってて、意志が強い。しかし、現実は、服が汚れてて、服のボタンは開けたまま。でも動きやすくするため意識的に開けてる。
不潔だろうと何だろうとそれは彼の勝手だ。
さて、兵士が緊張してる中、兵士達を慰めないと。
「何を言っている。俺達は守るためにここに来たんだ。行くしかないだろ」
『……お前、寝てたくせにかっこいいこと言うじゃない」』
意外な答えが出てきた。多分、男前だろうとは言いたいけど、流石に半分、心が傷つく発言だ。
ここの兵士達は、この故郷を守るためと復讐のために、ここに入団した者たちだ。
あらゆる厳しい訓練で、乗り越えた者だけ真の英雄になれるのだ。
もちろん、爓はこの訓練に合格してる。もう『あの訓練』はやりたくなかった。
命令が来るまで堀の窪みで待機だが、みんなの鼓動が微かに聴こえる。相当緊張してるようだ。
兵士が死ぬと、帰って来れないこともあるからみんな必死だ。そして、隊長の合図が来た。
『行くぞ! 進め! 戦え戦え!』
『うぉぉぉ!!!』
皆いっせいに走り、武器はほとんど刀を持ち、銃は皆リボルバー式の銃で装備して、それを走ってるから奇怪から見るとアリのようなものだった。
刀は、隊員達に支給された『斬撃刀』刀は奇怪の硬い鱗を貫通するために鋭くした。
リボルバーは『スーテンハイデル銃』だけで、耐久と火力が優れていたので採用した。
それを装備して突撃は自殺行為だけど、故郷と皆を守るため、精一杯戦うしかなかった。
『ガルルル!! ……グァルル!!』
奇怪の威嚇が聞こえた。ただそれを引くことは出来ない。訓練されてきたこの力を発揮する時だ。
「うぉぉぉ!!!」
奇怪とぶつけあいどんどん切っていった。
もちろん奇怪の武器は鋭い爪と牙が付いてる。
身長は2m以上で、対奇怪隊の身長は1.6mぐらい。
顔と身体も狼で、化け物だ。
『グワァ!』
『ガハッ!』
奇怪の攻撃で隊員がダメージを受けた。
爓も奇怪と戦闘してるが、無言のまま命を絶たれる兵士の視線を向ていた。
皆バラバラなので味方が分からない、刀で奇怪を倒してる中、怪物を見て、ビビってる男の子は、攻撃を受けない所のくぼみに隠れていた。
「またか……」
いつもながら精神が足りないなと思っていた。
体操座りしながら刀を構え、目を瞑ってた。
まともに訓練されてない、さすがに勝てないので、祈ることしかなかった。
「どうか……バレないで……」
でもあっさり見つかり、彼は、立ち上がり、刀を奇怪に向けて威嚇するが、足がプルプル震えてる。
目の前には奇怪、圧倒的なデカさだった。
離れても、ついてくる。
まもなく奇怪の攻撃が来た 。
次は彼の番だ。
「まずい!!」
爓は咄嗟に彼の方に向かう。間に合うか間に合わないかの甲乙。
自然的に目を閉じて、もう終わった……かと思ったら、ダッ! っと足音がした。
「……ん……!?」
なんとか爓が助けに来た。
間一髪のところ爪で、攻撃するのを、刀で、ガードしてる。
けど、奇怪の攻撃を押されてて、怪力が凄い。耐え切れるかどうか。
爓が向こうの安全地帯に行くよう、彼に、命令した。
「何してる! 早く逃げろ!!」
その場から離れたいそうだけどなにか悩んでる様子、でも、爓は人を助ければそれで構わんようだ。
「なにをしている! ……早く逃げろ! 俺のことはいいから!」
爓の後ろに彼が居る。直ぐ命令をするが、つい力を抜けてしまって、ガードは返され奇怪に噛みちぎられて、爓の左腕は飛んで血しぶきが飛び、出血している。
「うっ……まだだ!!」
爓の右手は機能しているので反撃したが、奇怪の爪の攻撃で、腹に突き刺さり倒れた。
やはり敵わない。かなりの致命傷を負ってしまった。
親しい友が無くなるのはかなりのショックだな。
ガクッと座り、力が入らなくなった。
「そんな……嘘だろ……」
絶望的なショックで、立ち上がれないそいつを見て助からないだろうとすべて断絶したかのように息を拭き取る。
ここはどこだ? テントに張り巡らされ、白い白衣着た40代であろうベテランの中年男性と若手の人と看護師の三人が、俺を見て焦ってる。
『おい、こいつ意識回復するの早過ぎないか?』
『3日は寝込むであろうとは思っていたけどこんなに早く意識回復するとは……』
『これは素晴らしい能力を持ってる』
その日の昼。
「洋二、もう爓の体調は大丈夫みたいだ……」
医師は言って、彼は嬉しそうな表情で。
「本当ですか!?」
「あぁ、でもなぜ再生が速いのかが不思議なんだよね〜」
「再生とは?」
眉をひそめたまま少し疑問ついた。今の話はなしにする医師。
「あぁいや、なんでもない、とりあえず爓は今ベットにいるからお見舞いしてこい」
「ありがとうございます!」
洋二は医師に頭を下げ、部屋を出て急いで爓のいる部屋に入った。
「爓さん!? 大丈夫ですか!?」
「何だ?……」
病院で本読んでる中、俺は邪魔されたと苛立たしい表情するが彼がお見舞いに来てくれたので親切に返答した。
「もう大丈夫だ……」
「かなりの致命傷だったけどよく回復できましたね」
「いや、俺にも分からない何かの力がついた」
「どういうことですか?」
「俺の身体には何かしらの変化がある。生まれつき怪我をしても1日で治った。だから生まれつき怪我の再生が速いんだ」
「そうですか……災難ですね……」
そっけない返事した。沈黙したからなにか適当に話題を変えないといけない。
俺は過去にあの記憶を思い浮かぶ。あの昔、一緒に食べてた他のと比べて一番珍しく、そして美味しいパン屋があった。
それは二人で一緒に食べてた記憶があった。昔の場所にもう一度行きたくなった。
「なぁ、また完全に治ったら一緒にパン買おう」
パンはいろんな種類があるけど、爓と洋二が食ってたのは中に『濃くて美味しいソース』が入ってるパンを2人で食べてた。思い出がある。
彼は「いいですね」と賛同してくれた。
そして20年後。今の俺はというとすっかり立派になってた。
今は大尉まで昇格し、もうこの訓練で卒業し、今度は兵の士気を担当した。でも、こっちの奇怪を倒す仕事があるため、爓の代わりを担当した。
4階の廊下側の窓を見て、空を見た。
「ふぅ……もう20年か……。まだ先は長いな」
「おはよう爓」
「あ、おはようございます、信大佐」
「相変わらず変わらないな顔が」
「いやいや、まだ少ししか経ってないのに」
「まぁ、それもそうだね」
2人は、窓の空の景色を見て何か想ってる。
まだ日中だが、それは明るく日が暖かかった……。
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