どこかおかしい学校生活

@toshiya0419

第1話

「俺でも良かったのか?」


これは最終戦直前のことである。なぜ俺が最終戦になっているのかを整理するとしよう。








 この春から高校生になった俺は家から電車で30分のところにある学校にした。中学の頃は治安の悪いことで有名の大桜中だったから、地元だけでなく隣町の店までも出入り禁止になっていた。大桜中の中でも優等生的な人もいて俺もその中の1人だった。そんな学校からでも受け入れてくれたこの学校には感謝してる。


 新しい地域の学校はよかった。治安が良い、進学校だからか地域の人が優しい、そして何より美男美女が多い!俺の学力は模試で偏差値50中くらいだからそこまで悪くないはずだ。だが、問題が1つある。コミュ障であり、人見知りなのだ!!これからの学校生活どうなっちゃうのー!!!








初めてのクラスで緊張しているやつ、昔から関りがあり話してるやつが多い。俺は前者だ。外部から来てるんだから当然だ。このまま平穏な学校生活を送りたいものだ、と思ったとき先生が来て








「席着けー!出席番号順に廊下に並んでくれ!!」








と言い俺たちを並ばせた。今から頭髪検査がある。さすがに誰も引っかかってないが疑われてるやつはいた。
















あれから1週間がたった。隣の席の首席で入ってきた山野辺朝子やまのべともこの周りにたくさんの女子が集まっている。自然と納得はできた。だって、成績優秀・おとなしい・高校で随一の可愛さをもった彼女は女子だけでなく男子からも人気だった。そんな最高の隣の席を俺が座っていることをよく思わないやつが多いと思っていたが、そんなことなく女子からも邪魔扱いされず、男子からも妬まれずむしろ仲良くなってくれる人が多くて内心驚いてる。








ここの教員は隣とペアになって勉強や作業することが多いせいか、よく話すようになっていた。








「火野君っておとなしいから、不良中出身なのが信じられない!」








なんて言われるくらいだ。女子と話すのは小学校ぶりだったが、緊張せずに話せてる気がしてる。そんな日が続いて3週間がたった。もうすぐ試験2週間前になるので、勉強はしているがなかなか捗らない。今まで底辺校で授業さえ聞いていれば点数が取れていたのに、この学校に来てからはそうもいかない感じを小テストで実感した。
















勉強法がわからないまま1週間がたった。1週間前から部活動などもないため、自習室の利用が増える。人数多いのが苦手な人は教室で自習したり、友達や恋人と勉強している。俺は2週間前から自習室を利用していたが、人が多いと中学のことを思い出しそうだったから先生に許可をもらい教室で勉強していた。そこに、委員会を終えた朝子がきた。








「ここで勉強してたんだ~。私もやっていこうかな」








丁度いいと思った。なにせ勉強法がわかっていなかったからな。








「あ、あのさ。勉強おしえてくんない?あんまり理解できてなくて、、」




「良いよ~。復習にもなるし」




さすが人気の女子だなと思った。この学校はみんな優しいが、特に朝子は断トツだった。そんな感じで試験初日を迎えた。今までには感じなかった試験独特の緊張感を感じたが、朝子が教えてくれたおかげで少し和らいでいた。








試験最終日、最後の試験が終わった。みんな友達と何が自信あるかなどを話していた。




「山野辺さん。勉強付き合ってくれてありがとね!おかげで結構解けたよ」




それだけ伝えたあと、ロッカーに荷物を置きに行った。帰ってくると一切れの紙があった。開けてみると




《放課後、話したいことがある》とだけ書いてあった。




場所も名前もなかったからどうしたら良いかわからないまま帰りのHRが終わった。




しばらく教室に残っていたが誰もいなかった。その日中は分からないまま時間だけがすぎてった。








少しの間朝子の様子に俺は違和感を覚えた。いつものメンツや、人前に立つときはいつも通りを演じてるが、一人になる時間はなにかおかしかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る