浮気疑惑の俺に、恋人の兄ちゃんがメリーさんを仕掛けてくる!
五月「…で?どうするつもりなのよ、あたしたちの仲」
新宿南口のルノアール。落ちついた高級喫茶店の中、目の前の美女が、断罪を求めてくる。
切れ長の瞳…鋭利なほどに整った容姿…少しだけウェーブの掛かった茶色のセミロング。
そして170㎝近いその身体は、峰不二子もかくやというボンキュッボン…。
(画像)
https://kakuyomu.jp/users/kansou001/news/16818093079192504356
中学一年生からの付き合いだけど…いや、だからこそ今でもたまに夢なんじゃないかと思うときがある。
まさか、幼馴染みの恋人が…ここまでの女に化けるとは…。
「誤解だよ!さっちゃん!!」
五月「…そのセリフは聞きあきたわ」
「そんなこと言われたってほんとに」
五月「ネタは上がっているのよ?この間の内定者懇親会」
「ま…まさか」
五月「…お隣の子、ずいぶん可愛い女の子だったみたいじゃない?信くんがとっても嬉しそうに教えてくれたわ」
「あ!あ!あのヤロウ!!」
信(しん)のヤロウは、さっちゃんと俺の幼馴染み。ことあるごとに「五月ちゃんは必ず奪う」と俺に宣言してくる油断のならない男だ。ちなみに大学も一緒なら就職先も一緒…それさえ無ければ頼りになる良い男なんだけど。
五月「で?モテモテの正太郎さんは、早々と懇親会を抜け出して彼女とどこへ行ったのかな?」
「抜け出したも何も…彼女が悪酔いしちゃって、その介抱に」
五月「ホテルにシケこんだ…と」
「そんなことしてませ…」
五月「言い訳は聞きたくない!」
「いや!聞いてくれないと弁明出来ないじゃん!そんなに俺と別れたいの!?」
五月「やっぱり…もう別れたいのね!?もう10年近い付き合いだもん…あたしの身体に飽きたんでしよ!」
「飽きたも何も…やらしてくれないじゃん!」
そうだよ!さっちゃんは処女…さんざん身体は合わせてきたけど、最後の一線だけは…どうしても逆らえない鬼畜な約束が…。
五月「どちらにしても…もう賽は投げられたわ」
「は?……ま…まさか!?」
五月「あたし…お兄に話しちゃった」
「ちょっと待って!さっちゃん。それは事実上の死刑宣告だぞ!そんなに俺が憎いのか!?」
五月「うんっ!!」
重々しく頷く美女の口角が一緒跳ね上がったことを俺は見逃さなかった。
こ…このどS女が!!
五月「だってさっきまでお兄に電話で尋問されてたんだもん。隠せる訳無いじゃん」
…あの人の直感、野獣なみ。
五月「お兄、激昂して今こっちに向かってるわ」
「それを早く言え!」
ピロリロリン
携帯電話のメール着信音が地獄の秒読みのごとく鳴り響く。
カヂャリ『あたしお兄、いま新宿駅なの』
…な、何がお兄だ!俺が昔みたいに「兄ちゃん!」って呼ぶと「もう義弟気取りか!このガキゃあ!」ってぶちギレるじゃないか三月さん!
カヂャリ『あたしお兄、いま南口を出たわ』
「さっちゃん、良く聞いて!この世に君以上の女なんているわけないじゃないか!」
五月「そう言ってさっさと一人で童貞卒業したわよね、あんた」
「あれは詐欺だったって知ってるじゃん!」
五月「ど~だか」
カヂャリ『あたしお兄、いまお店の前』
「ごめん!さっちゃん、ちょっとトイ…」
カヂャリ『あたしお兄、あなたのう・し・ろ!』
ガツ!!
「うぎゃ~~!」
三月「浮気したんだって~?正太郎~!!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます