勇者ですが評判が最悪なので、女神さまの提案で別世界で暮らすことにしました。

ノ鳥

1話~卑劣勇者と、女神の裁定~


「お疲れ様でした。勇者さま」


 意識に火が灯る。

 眠気にいた気だるさを感じながら、糸でも貼っているように重いまぶたをひらいた。

 

 目の前に広がる。

 呆けた顔がピタリと時間を忘れた。

 あらゆるところにちりばめられた破片のようなそれらが、暗闇に包まれた空間を彩る。

 輝くそれらはまるで星のよう。僕はもしかしたら夜空に食べられてしまったのだろうか。吟遊詩人めいた言葉が頭をよぎる。

 どこからどこまでが壁で、床で、天井なのか、さっぱりわからない。

 不思議な空間を照らすのは星の輝きでは足りない。大きな光を放つお月さまが存在していた。案外、星にみえる周りのそれらは、このお月さまの光を反射させているだけなのかもしれない。

 と、お月さまと言ったが、それは正しくない。

 いけない、いけない。こんなロマンチックな場所にいるからか、思考がなんだかキザったらしいものになっていた。

 四本の脚に板と背もたれ。それがお月さまの正体だ。どうみても椅子である。もちろんただの椅子ではない。輝いている。

 ダンジョン深くの宝箱からこの椅子が出てきたら、光り輝くそれをただモノではないと思いつつも「椅子かよ」と微妙な気持ちになるに違いない只者ではない椅子だ。。

 そして椅子は二脚あり、ふたつの光明を持って暗晦あんかいたる空間を照らしていた。

 ひとつは僕の尻のした。もう一方は目の前にある。それは一見すると、主を欠いた空の椅子だったが、しかし目を凝らせばそこに鎮座する存在に気がついた。


 ――ふわりとナニカが揺れる。


 それは月光を浴びた焚き木のけむりのように不透明で透明で。まるで湯気のよう。されど強烈な存在感をひしひしと感じられる。

 そして、気のせいでなければ、女性の声はそこから聞こえていたはずだ。

 優しげで落ち着きの払った清廉な美声。そして今もじんわりと感じられる神聖な雰囲気。多くは分からないが、そこにいるのが怨霊や化け物の類ではないことは、僕にも理解できた。それはともかくとして女性は気になることを口にした。


「ゆうしゃ……僕は勇者なんですか?」


 妙なことに心当たりがない。いや、忘れている……?

 知識はあるし、常識も身についたままだ。だけど、己たらしめる思い出というべき記憶がすっぽりと抜け落ちていた。

 不思議な感覚だ。さらに記憶がないというのに、そこに焦燥感も恐れも感じない。あるべきものが失われたという妙な虚無感がただ広がっているだけだった。

 そうなんだぁ、としか思えないが、どうやら僕は記憶喪失らしい。

 さて、目の前の存在は僕を勇者と呼んだ。どうやら今の僕より僕について詳しそうだ。じっさい、勇者であるかを問いかけると、目の前のモヤはうなずいた……ように揺れ動いた。


「僕が……勇者」


 ほぅと息が漏れた。噛みしめるようにひとりで頷いた。

 もしかしたら今の僕は得意顔にでもなっているのかもしれない。それだけ得意げな気分だ。

 僕の中にある“常識”からすると、【勇者】とは偉大な称号だ。どれだけ自信にあふれていようが勝手に自称することは許されるものではなく、多数の国を崩壊や滅びなどから救い、教会から許しを受け託宣を賜ることに成功して初めて【勇者】を名乗ることが許される……【勇者】とはそういう特別な称号なのだ。少なくとも僕が生まれ育った大陸ではそうだった。

 そして、どうやら僕はその偉大な勇者らしい。

 それを人間を超越していそうな神聖な存在が肯定してくれているのだから、そりゃあ覚えがなくても得意げな気分にもなる。なんて調子に乗ったのが悪かったのだろうか、目の前の女性は言いづらそうに言葉を続けた。


「ええ、正直あなたのことを勇者と呼ぶことに抵抗はありますが、あの、その、確かに成したことはそれにふさわしいというか、まあそんな感じです」


 姿が見えない不思議な女性は、そういって複雑そうに言葉尻を濁した。

 ……僕は本当に勇者だったようだ。ただ、素直に勇者と呼ぶことをはばかられる人物でもあったらしい。


「あのー僕ってなにかしたんですかね?」


 おのずと胸中にそのような疑問が浮かび上がる。

 彼女はとても言いづらそうにしながらも、確かな口取りで語り始めた。


「作戦を共にすることになった冒険者といさかいが発生した際に、正々堂々と決闘で決めようと言いながら決闘前の握手で毒針をしこんだり……」

「……え、だっさ」

「決闘相手の方は当然毒針の存在に気が付きましたが、黙っていないと解毒薬を渡さないと脅して口封じをおこなっていました」

「勇者とはいったい……?」


 ダサくて卑劣である。今のところ得られた僕の評価に苦笑も浮かばない。

 だが、女性は僕の蛮行はまだ始まったばかりだと言うように言葉を続ける。


「あとはそうですね。とある国の王都に邪神軍が襲来した際、下水道に起爆性のある特殊な液体を流し込み、邪神軍を首都ごと吹き飛ばしたのはだいぶショッキングでした。しかも、瓦礫の山になった王都を背景に、汚ねぇ花火だぜ、とか言ってたときは、さすがに拳のひとつでも落としてあげたくなったものです」

「なにしてんの僕……?」


 国の中心たる王都に邪神軍とやらが攻め入っていることから、かなり追い詰められた状況だったことは推察できる……が、我ながら凄まじい事をやったと呆れを超えて感心してしまいそうだ。

 しかしさすが勇者というべきか、僕の武勇伝は終わらない。


「あとはそうですね。女将軍を中心に取り巻く八魔将たちのドロドロとした関係を世にさらして、連携力低下、末端の邪神軍兵士の士気低下、結果的に内紛発生を促し、果てには、八魔将を率いる立場の邪神軍四天王のひとり大将軍ガズンバを胃痛によって隠居に追い込んだ【泡沫うたかたの星】作戦は、【勇者卑劣伝】の中でも有名なエピソードです」


 【泡沫の星】作戦っ!? 【勇者卑劣伝】っ!?

 やっていることが勇者ではなく、有名人のプライベートを探って勝手に記事にするアレなタイプな記者である。


「ただこの作戦で一番ドンビキしたのは、弱みを握るためのスパイを確保する手段に人質を用いたことです。しかも『いやーオリジナルの毒魔法と、それに適応した解毒術を使えば、逃げても解毒手段がないから見張りをつけなくていいから楽だな~。まあ、恨むならひとの大陸侵略してきたくせにいっちょ前にハーレムつくってたことを恨むんだなナハハッ! ねえ女の子たちが自分を助けるために国裏切ってるのってどんな気持ちどんな気持ち?』と、楽しそうに【NDK】していたときは、思わずその方に加護を与えたくなったものです」


 記憶がないため思い出せないが、僕はその敵のハーレム男に恨みがあったように思える。どうしてだろうか、不思議とそんな感じがする。

 というより、僕は今何を聞かされているんだろう。

 【勇者】は、自分の意見を押し通すために味方に毒針なんて刺さないし脅さないし、ハーレムを築いている敵に嫉妬して、人質を取って女性たちにスパイのマネごとを強要させたりしない。もちろん【勇者】が剣ではなくてペンをつかって、迷惑記者のマネごとなんかしないのだ。

 【勇者】とは、強大なチカラを身に宿しながらも苦難を乗り越えて無辜の民の平穏を守る存在。

 あこがれを穢すな……! 穢してるの僕らしいけどっ!


「あの、まだお聞きになります……?」


 百面相をしていた僕に、女性は控えめな様子で聞いてくる。

 答えは決まっている。当然、


「あ、大丈夫です」

「……はい。こちらとしてもびみょーな気分になるので、その、助かります」


 話を聞かされた僕は、先ほどまでの勇者であるという誇らしい気持ちがすっかり萎えていた。

 なるほど、これで彼女の態度にも納得がいく。このようなことをするやつを素直に勇者と呼びたくはないだろう。なんなら僕だって認めていない。


 ――そんなおり、ぶわっと、封印でも破れたかのように、いっせいにナニかが頭を満たした。


「……あっ」


 それは僕の人生の記録。物語というべき思い出の数々。それらに付随するように、風化した感情とあせない思いが湧き上がってくる。


「――ああ、そうだ。確かに僕は、勇者だった……」

「思い出したようですね。あなた自身がなにものか、なにをなしてきたのか」


 「なにをなしてきたか」の部分で、露骨に目線を反らすのやめてください。

 ――目線、そう目線だ。

 記憶が戻ったことの影響なのか、先ほどまでは不自然なモヤとしか映らなかった椅子のうえの存在が、違ったように……簡単に言えば女性の姿が見えている。

 さながら深い霧の奥に立っている女性。一見それはひどく不安定そうで、風でも吹けば幻だったかのように消えてしまいそうだ。

 だが、そうではないことを僕は知っていた。ただ存在している次元が違うのだと知っていた。

 “存在として劣るのこちら”からはその姿の片鱗を垣間見ることで精一杯なのかもしれないと、僕は理解っていた。


「……あ、あなたは」

「お久しぶりですね、とはいえ、あなたからすれば“あの時のこと”も忘れていたのでしょうけれど」


 「ふふ」と、女性は笑みをこぼす。

 “あの時のこと”……そう僕らは一度だけ出会ったことがあった。

 それは僕の勇者としての名声が、いずれ逆転する悪名よりも高まっていた頃。僕が大陸を代表する三カ国に認められ、教会にて勇者としての洗礼を受けたときのことだ。

 人々に見守られるなか女神像に祈りを捧げた、まさにそのとき。視界が白く霞み、僕の意識は今いる空間に飛ばされた。そのときに彼女と出会っていた。

 といっても、洗礼を終えたあとの僕には、その時の記憶……この女性に関するあれこれを忘れてしまっていたのだが。

 それが今、元々の記憶の反流に押し出されるように蘇った。そう、目の前にいる女性はまぎれなく。


「あのぉ~ですね《女神》さま? まるで僕が卑劣の限りを尽くした~みたいに言われるのも遺憾なんですけれど……」

「たしかに勇者さまの活躍で非常に多くの命が救われたのは事実です。あの、ですが、手段があまりにも模範から逸脱しているというか……」

「うぐッ……」


 女神さまは言いづらそうにしながらも、先細りしていくか細い声で僕を非難した。

 確かにやってきたことを振り返れば、そう言いたくなるのも仕方ないのかもしれない。ただ待ってほしい。僕は結果的に目をそらしたくなるようなおこないをしてしまったかもしれないが、それは邪神軍の侵略を防ぐためだ。

 というか、そもそも外道勇者とかクズ勇者などと呼ばれることになった決定的な要因は、不本意ながら僕の相棒でもあった“仲間”に起因するものが多いはず。


「で、でも、女神さまも見てたならわかるでしょう!? あいつ、あいつが全部悪いんですよ! 自称堕天使の翼人族のルーシャンが!!」


 背中から生えた翼で空を駆ける種族、翼人族。

 翼人族の翼の色は基本的に雲のような白系統の色であることが多いが、なかには茶羽や青羽、黒羽をもった翼人族もいる。

 そのなかでも、僕の唯一の仲間だったルーシャンは、白羽と黒羽が半々ほどの異様な色合いの翼を背負った異端者だった。そして本当かウソか、前世は堕天したうえに同族に追われた元天使、堕天使だったと聞かされたことがあった。間違いなくキチガイである。

 ルーシャンは背丈は大の男と比べても遜色はないほどの大柄な体格をしていたが、一方で、出るトコ出ているボディラインは、首都一の遊女と比べても負けず劣らずの色気を放っていた。

 切れ目がちな目元はお世辞にも愛嬌が良いとは言えなかったが、シミ一つない肌と合わさり黙っていればどこぞの高貴な姫かと見紛うほどの整った顔立ちだ。

 さらにルーシャンは、天が二物も三物も与えることを証明するかのように、非常に魔法が上手く、特に毒や呪術系統の魔法に長けた傑物ともいえるほど優秀な魔法使いだった。

 だが、帳尻をあわせるようにルーシャンには大きな欠点があった。それは彼女は親の胎内に良心を置き忘れて産まれてきたかのような、他者をかえりみない奔放な性格だ。


 そんな極端な容姿と才と性格を持つ彼女と出会ったのは、僕が十四歳のときのこと。

 出会った……というか、攫われた。どこから聞きつけたのかは分からないが、ほんの少し前に発現していた特異な能力――【ギフト】に目をつけられたようで彼女にかどわかされた。

 そしてそのまま旅に出ることになった。もちろん強制である。

 今でこそ感謝はしているし、ギリ仲間だとも思っているが、それをおいてもヤベー奴なのは間違いない。しかもあいつときたら何を考えているのか、自身の考えた作戦がうまく運ぶと、その手柄を僕に譲ってくるのだ。そんでもってどうしてか助けた民衆を前に「あの作戦を考えたのはこの男だ」と、自慢げに語る姿に僕が何度と頭を抱えたことか。あと、とあるトラウマを僕に植え付けたのは今でも許していない。あれのせいで、あれのせいで僕は……いや、今はやめておこう。


「あ、あの……落ち着いてくださ……」

「女神さまぁぁお慈悲をぉぉ! さっきの話だってだいたいあいつの案ですから!あー、なので、地獄だけは勘弁してください! 僕はわるくねぇ!!」


 なので、これは決して仲間を売っているわけではない。ルーシャンに贖罪もとい性根の鍛えなおしの機会を与えようという優しさである。


「いや半分くらいはあなたの案なの知ってますからね? なにしれっと嘘付いてるんですかまったくもー」


 バレテーラ。


「って、そもそもですねっ? 邪神軍の人界進出をくいとめた、英雄、勇者。そう湛えられながらも今までの卑劣で非道な作戦――卑怯千万な性根が数多の権力者に問題視され、お尋ねものにまでなった勇者さま方が、今度は人間相手に虐殺行為を企て始めたのを見かね、わたしが少々無理をしてこちらにお呼びしたといった状況なんですよ! なので勇者さまはまだ生きていますからっ!」

「……おおっ?」


 全力でルーシャンに罪を擦り付けようとしていると(なお失敗)、女神さまはそんなことを言ってきた。

 どうやら僕はまだ死んでいなかったらしい。こんな不思議な空間で女神さまと相対しているものだから、てっきりなんらかの理由で命を落としたと思っていたが違うようだ。

 するとタイミングでも見計らっていたかのように、唯一抜け落ちたままだった、ここに招かれる直前の記憶が蘇る。


『それで先触れとやらはなんだったのだ?』

『軍が到着するまで約二日間。僕をこの街から逃したりすれば、街ごとだとさ。果たし状ならぬ脅し状だよ。どんだけ僕のこと処刑したいんだか』

『……ふむ、やはり潮時ではないか? だから最初から言っていたのだ、歯向かうものなど全員始末してやればいいと。我と勇者が力を合わせれば向かっている連中なんぞ皆揃って毒沼の底に沈めることも可能だぞ? なんなら感染力を強めて、この国……それではぬるいか。大陸中に病を流行させることもできるが?』

『できるが? じゃなくてな? それだと街のひとも盛大に巻き込むじゃねぇか。いや匿ってくれてる時点で巻き込んでるんだけど。はあ、でもそろそろ逃亡生活も潮時かもなあ。……でもそうだな、そんなに僕らに会いたいならこっちから出向いてあげるのもいいかもな。僕だってだいぶうっぷん溜まってるわけだし」

『ク、ククッ……毒に侵され呪いに精神までも壊される愚者共の嘆きの叫びが今から楽しみじゃな……クク、カカッ』

『いや物騒すぎぃ! ただまあ……相手は無辜の民を人質に取るような悪徳国家だし、むしろ勇者の制裁を与えることで、今のうちに罪を清算させて彼らが死後、神の元に行けるようになるまである。つまりこれは善行だ。はい理論武装かんりょー、徹底的にやってもどう考えても問題なし! ひっさびさに思いっきり暴れるぞルーシャン!』

『カ、ハハハッ……いいぞ、それでこそだ。それでこそ我が見込んだ勇者だ! では、盛大に力を示すとしよう!』


 あはは、クハハと、木霊するふたりの高笑い。

 誰だ、この悪党ふたりは。いや、片方は僕だった。

 ……今にして思えばちょっと冷静ではなかったのかもしれない。テンションが上がっていた……というより、逃亡回数も潜伏生活も長く、色々と溜まっていたところに王国軍による街ごと人質にするという強硬策を聞いて、「あ、それならこっちもやることやっていいよね」と道徳心がプッツンしてしまったのだ。

 別に後悔もしていないし、再びあの場に戻っても同じことをするとは思う……が、女神さまを前にこんな記憶を思い出して、なにも感じない僕でもなかった。


「あー、えーっと……た、確かに……僕はルーシャンと作戦会議をしてるところだったような」

「ええ、そうですね。ちなみに勇者さま、どのような話し合いであったか覚えていますか」


 淡々と聞いてくる女神さま。気まずさゆえに眼球が振り子のように左右に揺れる。うん、僕はここにくる直前の記憶は思い出せなかった、そういうことにしておこう。


「あー、どうだったかなー。なんか記憶が混乱してるみたいで、えっと、なんだろうなぁ……あ、ごめんなさい、内容まではちょっとぉ――」

「覚えていますよね?」

「あ、えっと……き、きおくがぁ~混乱してぇ……」

「…………」


 揺れ動くモヤの向こう側で、女神さまの眼光が僕を射抜いた。

 なにしらばっくれているんだという、女神さまの心の声が聞こえた気がした。


「すぅー……あーあれはですね、大人しく投降しなければ、匿ってくれた恩人や街も逆賊として扱うとか言われましてね。勇者としてそのような残虐な行為をさせるわけにはいかないと――」

「内心ではヤッちゃう大義名分ができてノリノリで虐殺計画を練っていましたものね」

「そうですねあの糞どもに勇者のさばきを下してやろうと――あっ……」


 あ、やっば、口滑ったやっば。

 と、一瞬焦ったものの、女神さまの表情は変わらない。

 そうだった神さまでした。心の内側まで読み取れるかは不明だが、あの世界での出来事はすべて知られていると思ったほうがいいかもしれない。さすがは我らが主神さまである。嘘もごまかしも効かないらしい。


「はぁ……では話を戻しますね。このたびお呼びした理由ですが、勇者さまによる大惨事が起き、そのはてに起きうる世界規模の大混乱を防ぐため。具体的には、現在ド級の争いの火種になっている勇者さまにいなくなってもらおうかと」

「……え」


 女神さまはそれをなんでもないかのように淡々と告げたのだ。

 僕の直感が今すぐ逃げろと訴えてくる――。

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