第3話 嘘でしょ?

「るーちゃん!買い物に行くよっ!」

「紗英....急にどうしたの?」

まあ我ながら急だとは思いました。買い物も呼び方も。

「ほら、これから新しい服を主に買いに行こうと思ってさ。ずっと私の衣服を貸し続ける訳にも行かないし」

「それはそう....だね」

「やっぱり呼び方も気になった?」

「....まあ」

「理由としては、簡単だよね、世間体だよ」

「世間体?」

「個人的にはるーくんって呼び続けてもいいんだけど、傍から見て女の子にしか見えない子を男の子っぽい呼び方で呼ぶのもどうかな、と思いまして」

「なるほどね、確かに、急に性転換する事例は世界にない。だからこそ隠すべきだよね、余計な注目を浴びないためにも」

「理解が早くて助かるー!っと、呼び名の話はこんなところにして、買い物行こっか、るーちゃん」

「うん、そうしよっか」


そんな会話をした後、程なくして私たちは家を出た。買い物先のショッピングモールはここから徒歩10分で行ける駅から電車に乗って、その後15分ほどあるいて行ける。なので私たちは駅に向かって歩き出した.....のだが。

「はぁ.....はぁ....さ、さえ、ちょ、ちょっと休憩」

「嘘でしょ!?まだ歩き出してそんな経ってないんだけど」

るーちゃんはどうやら凄く体力が無くなったようだ。これは先が思いやられるなあ。

「休ませて、貰った身で、はぁ、言うのもあれだけど、電車の時間、大丈夫なの?」

「うん、大丈夫、こんなこともあろうかと家に出る時間は余裕を持たせておいたからね!」

「あ、ありがとう....けど、余裕にも限度はあるから、そろそろ行こっか」

「ほ、ほんとに大丈夫....?辛かったら無理しちゃだめだよ?」

「紗英もね。今の私ほどじゃないけど、紗英も体力あるほうじゃないからさ」

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