『うどんの魔女、ヤガーテ・コロシ・テ・ヤール』

やましん(テンパー)

『うどんの魔女、ヤガーテ・コロシ・テ・ヤール』


 魔女ヤガーテさんは、姉ふたりとはかなり違っていて、争い事は嫌い。


 うどんに魔女生をかける決心をし、伝説のうどん職人『サ・ヌーキ師』に弟子入りして、長く厳しい修行をしたのである。


 やがて、独立し、火星にうどん店『ひがしほりばた』をつくって、早くも8年になった。


 別に、魔法を使っていたわけではなくて、すべて、手作りである。


 ヤガーテさんは、魔法を封印したのである。


 しかし、彼女には、ほっといても、危険な未来が分かるという得意技があった。


 あるひ、常連客のやましんが来ていたときに、それは、ひらめいたのである。


 『来る❗』


 ヤガーテさんが、突然として叫んだ。


 『は? まま、どしたの?』


 名物、『宇宙たぬきうどん』を頂いていたやましんは、びっくりしたのである。


 『はやく、地下シェルターに! 避難しましょう。恐ろしい爆弾が来る。』


 『え?』


 他にはお客はなく、ヤガーテさんと、弟子のまりこさん、それに、やましんは、地下シェルターに逃れたのだ。


 火星の住宅には、100パーセント、地下シェルターがある。


 地球との戦争のためだけではなく、隕石の落下対策でもある。


 また、オリンポス山が、240万年ぶりに、近く、再噴火する可能性が出てきているとも言われている。




 『まま、つまり、どういうわけですか?』


 シェルターに入るなり、まりこさんが、先に尋ねたのだ。


 『地球の独裁者が、火星に向けて、新型の壊滅爆弾を発射する。しかし、地球の恐ろしい魔女たちが、中間地点で爆発させようとするも、ちょっとしたミスがあり、失敗してしまい、爆弾は、火星に到達します。』


 『まま、なんでわかるの?』


 と、やましんがこんどは尋ねた。


 『予知能力です。』


 『まあさかあ。まま、なに、たくらんでるの?』


 超能力とかを信じないやましんのことであるから、無理もない。


 『これは、極めて、物理的な能力なのです。通常ではない巨大な物理エネルギーは、過去と未来双方に、ある影響を与えます。わたしは、それを、感知します。』


 『ふうん。だって、そんなに巨大なエネルギーは、過去と未来の、いつに影響するの?』


 やましんは、にやにやしながら、尋ねたのである。


 『む。やましんさん、いいところを突きますね。それは、そのエネルギーの大きさにより、影響する範囲が特定されるのです。一定数以内では、その時間に、その次元でしか影響しない。たとえば、巨大な災害や、事件が発生した場合に、ある種の乱数発生装置に異常が生じる場合などです。しかし、あまりにも巨大すぎるエネルギーだと、時空を越えます。それは、サ・ヌーキ師匠により、公式化されていますが、それは、わが、宇宙ヌーキうどん流の奥義、秘技なのです。』


 『はあ。まりこさんは、知らないの?』


 『まだ、その域にはありませんゆえ。』


 『く、く、く、くやしいです。』


 『いずれ、わたくしが、秘技をもちまして、対処いたしますゆえ、おふたりは、ここにいてください。まりこさん、フルバージョンヌーキうどんを作り、おふたりで食べていてください。では!』


 ママは、そこから即座に消えたのである。


 『ままは、なにをすると?』


 『さあ。まだまだ、わかりませんが、うどんで、火星を救うのでしょう。』


 『ふうん。ぼくは、おそばのほうが好きだけどなあ。』


 やましんは、つぶやいた。



 ママは、お店の屋根の上に立ち、ついに、長く封印していた魔法を使った。


 すると、長い長い、丈夫なうどんが、お店の屋根から、宇宙に向かって伸び上がり、やがては、地球の独裁者が放った爆弾ミサイルを捉えて、それを、なんと、太陽に向けて、投げ飛ばしたのである。


 火星は、救われたのである。


 総統も執政官も、あまりの不思議さに肝を冷やし、しばらくは、おとなしくなったという。



   🙇🙇🙇🙇🙇🙇🙇






         おわり


       





     😝…………XMS😤










 


  

 


 


 




 

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『うどんの魔女、ヤガーテ・コロシ・テ・ヤール』 やましん(テンパー) @yamashin-2

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