美しい言葉
僕は、美しい言葉を求めている。僕の胸にすっと沁みこみ、僕の体中に浸透して、染み渡るような、美しい言葉を。綺麗な鳥のさえずりが、僕の鼓膜を透過するように。木の葉を吹き抜けるそよ風が、僕の肌をそっと撫でるように。柔らかい人の手のひらが、僕の頬をじんわりと温めるように。そんなふうに、僕を透明にしてくれる美しい言葉を、僕は求めている。言葉で、僕を透明にして、溶かして、僕の肉体を失わせて、星がきらめく夜空と一体にしてほしい。底まで澄み渡る透明な川の水と一体にしてほしい。森林に漂う清らかな空気と一体にしてほしい。
僕はどうしてこんなにも美しい言葉を渇望しているのだろう。これは、人の根源的な欲求なのかもしれない。美しい音楽を求めるような、美しい絵を求めるような、おいしいごはんを求めるような、そんな欲求なのだろう。
美しい言葉で、僕を満たしてほしい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます