グッチェル

第1羽

刀舞(とうま)がスマホを寝転びながら眺めている


「はぁ…今日から仕事かぁ…」


起き上がる


「俺みたいなのでも働ける職場らしいけど…

 心配だなぁ…」


自分の背中方を見る


「にしても…相変わらず

     邪魔だな…この羽」


刀舞の背中に人一人程のサイズの

羽が折り畳まれている


刀舞「………とっとと起きるか………よっ」


鏡の前まで歩るく


「うわ…寝癖やっば…シャワー浴びるか」


ふんふふーん♪


少しして出てくる


「ふぅ…さっぱりした……

    水含んでて重いな…」


着替えを済ませ玄関で靴紐を結ぶ


「うっし、行くか」


扉が閉まる



第一羽

羽のはえる男




出社するために駅まで歩いている


刀舞(そういえば、なんだかんだこの羽とも

    15年位の付き合いだな…

    俺が産まれて3~4年程度で

     この異能社会になって

    世界が6つに分断されて…)


そんなことを考えながら電車に乗る


刀舞(そっから…色分かれしてって…

   えっと…何がなんの色だっけな…

   後で会社の先輩に教えてもらうか…)


駅に着き人混みに揉まれながら出る


刀舞(人混みってやっぱり苦手だな~)


黒河「よっ!」


刀舞「痛って!」


黒河(くろかわ)が刀舞の背中を叩く


刀舞「……誰っすか?」


黒河「お前の先輩だよ」


刀舞「先輩?」


黒河「だってお前…目的地、

     白烏(シロガラス)だろ?」


刀舞「まぁ、そうですけど…」


黒河「しかし、カッケェ羽だな!」


刀舞「まぁ、はい…」


刀舞(なんなんだ?この人、胡散臭すぎる…)


黒河「やっば!もうこんな時間じゃねえか!

  俺今日、早めに出勤しねぇといけねぇから

       それじゃ!」


刀舞「俺も急ぐか…」


走り出そうとしたと同時に背後から

閃光と激しい爆発音がなる


刀舞「っ!」


町中の人が悲鳴をあげ逃げていく中

黒河だけ、人混みに逆らい

爆発音がなった方へと走って行く


刀舞「なにやってんだあんた!死ぬぞ!」


黒河「ハハッ!今日の初仕事だ!

     よーく見とけよ新人君!」


爆煙の中から巨大な異形が現れる


異形「全部ブッ壊してやる!

    俺を笑った奴も!

   腫れ物扱いする世の中も!

       全部、全部!」


異形が投げた瓦礫を黒河が涼しい顔で避ける


黒河「バカみたいにデカイ図体しといて

  随分とみみっちぃこと、考えてんだなぁ!」


異形「うるせぇ、うるせぇ!

      黙れ、黙れ!

   どうせ、お前も、俺のことを!」


黒河「お前みてぇにでけぇのは、

     知り合いにいねぇよ!」


そんな会話をしながら

黒河は市民を全員避難させ

武装も済ませる


黒河「おいデカブツ!そんなに暴れたいなら

       相手してやるよ!」


異形「殺してやらぁ!」


黒河「今回は、新しく入った後輩君が見てるんだ

    張り切らせてもらうぞ!

  ハンデとして俺の能力を教えといてやるよ」


異形「ハンデだぁ?!

    やっぱり見下してんだな!

       ブッ殺してやる!」


黒河「殺す殺す、うるせぇなぁ!

     俺の異能は………紫…神速だ」


黒河の目が紫色に光る


その戦闘を前に刀舞は笑みを浮かべていた…


~つづく~

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