深い深い世界に生きている。絡み合って何処までも伸びる根に守られ、支えられて生きている。地表から訪れる水を飲んで生きている。土が伝える温度に包まれて生きている。

 体型を変え、翅を作り、硬い皮膚を纏って外を目指す。嵩張る枯葉や枝を退け、小石を飛ばして風に当たった。飛び込む聲に導かれ、応えようと羽ばたいた。

 大きなものが小さく、小さなものが大きく、入れ替わっていく。未知の世界を見渡して、ちっぽけさに鳴いた。



❇︎あとがき❇︎


虫の目から鳥の目になった時。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る