第24話:うおおおお!新型Libertouchだあああ!(キーボードの話です)

 なんとなく、X(旧Twitter)で「リベルタッチ」と検索してみた。

 すると、新型が出るという情報が!


 天下一キーボードわいわい会という、キーボード好きのイベントがあるのだけれど、そこで開発中の試作機が展示されていたらしい。僕は行けていないのだが、毎年その情報だけはキャッチしていた。

 今年はなんだかんだと忙しく、情報すらキャッチ出来ていなかったところだ。


 Libertouch(リベルタッチ)というのは、富士通コンポーネントが製造販売を行っていた高級メンブレンキーボードのこと。

 初登場は、2007年だ。90年代のキーボードに慣れ親しんでいるせいか、なんだか最近に感じるが、もう17年前になる。2018年に再販されるも、2021年には販売が終了。

 3年間音沙汰が無かった。


 今、この文章もLibertouchで書いているんだけど、僕の所有しているLibertouchはもうキーキャップがテッカテカになってしまっている。ABSなんだよねえ……。テカテカで触り心地はクソほど悪いけど、打鍵感は超がつくほど良い。

 正直、打鍵感だけなら一番好きなキーボードだと思う。思い出補正とか総合的にはSK-8855なんだけどね。


 メンブレン方式というと、安価なキーボードを思い浮かべる人が多いだろう。ぶにゅぶにゅとしたゴム感の強い打鍵感で、メカニカルが主流になってきている昨今のキーボード界隈においては嫌われがちな方式である。

 一方、同じラバードームを使った静電容量無接点は持て囃されているわけだけどね。静電容量最高!メンブレンはクソというような言説には、苦い顔をしちゃう。


 Libertouchの打鍵感は、静電容量無接点とメンブレンとメカニカルを足して割ったような感じだと僕は思っている。メンブレンらしく底付きの衝撃吸収感はあるんだけど、メカニカルのようなハッキリとした感覚もあり、静電容量無接点のようなスコスコとした感覚もある。

 ゴム感は、ほぼ皆無。


 独自構造をしているのが特徴で、キーをどの位置で押しても均一に押し込まれる安定感もあり、とても打ちやすい。もちろん、ステップスカルプチャもあり、疲れにくい。


 弱点があるとしたら、デカいこと。フルサイズしかないし、ベゼルが結構しっかりあるタイプだから、フルサイズのなかでも比較的大きめのサイズ感だ。

 現在主流のテンキーレスや75%配列などと比べると、デカすぎる。

 僕が使っているのは幅90cmほどのデスクなので、すごい圧迫する。


 だけど、僕はキーボードに対し非常にうるさい人間だ。好みもすごく面倒くさくて、なかなか自分にシンデレラフィットするキーボードがない。少なめに見積もっても、100以上のキーボードを使用してきたのに。

 そんな人間が「デカいこと以外弱点がない」と思っているのだから、Libertouchはすごいと思う。


 打鍵音もうるさすぎず、静かすぎずで程よいしね。


 そんなLibertouchは、間違いなく最高峰のキーボードの一つだ。REALFORCE、HHKB、Libertouch。僕にとっては、そんなイメージ。


 ただ、現在は販売されていないうえに中古市場での値上がりが凄まじい。僕が所有しているテカテカな状態でも、1万円は超えてくる。

 僕の場合はそこに喫煙環境であることが加わるので、まあ7000円くらいが妥当な中古販売価格じゃなかろうか。それでも7000円はするのだから、高い。

 新品もまだ一部ショップに残っているけど、価格が異様に高騰しており、5万円近い値段になっている。


 しかし!


 新型が出るのだ。


 再販じゃない。新型だ。


 しかも、開発にあたりユーザーにアンケートを取っている。無論、僕も回答した。

 このアンケートの選択肢、かなりガチだ。職業欄に「SE・プログラマー」「ライター・作家」があるアンケートは、初めて見た。

 だいたい、いつも「ライター」という項目が無くて、一番近いのはどれだ? と毎回苦心しているからね、僕は。お問い合わせフォームとか申請フォームとかね。

 本当、どれ選べばいいの?


 それはさておき、他にも項目色々だ。「キーボードを何台所有しているか」「キーボードに求める機能はなにか」という項目もある。後者に関しては、かなり細かい。ラピッドトリガーなど、ゲーミング界隈での主流な機能もおさえている。

 好みのレイアウトという項目に関しては、80%・75%・65%・60%・40%など細かすぎるほどだ。まさか40%まで選択肢にあるとは思わなかった。

 ガチ過ぎるよ……。遊舎工房と連携してアンケートを行っているんだろうけど、それにしても細かすぎるって……。


 なにやら、意見を積極的に取り入れてくれそうな気配がするんだよね。


 最近の富士通のキーボードは、かなり頑張っていると思うので、期待したい。

 まあ最近に限らず、富士通は昔から「入力」にこだわっていると思う。打鍵感にこだわりまくり、昔から色々な名機を世に出してきた。


 というか……好きだから、単純に復活が嬉しいよ。一般的なテンキーレス配列版を出してくれたら、喜び勇んで買います。無くても買います。テッカテカなので。

 一応、「テンキーレス出してほしい」「キーキャップをPBTにしてほしい」という要望をアンケートには出しておいた。多分、この二つの要望は多いんじゃなかろうか。

 長年使えるキーボードなのに、キーがテカリ放題になるのはもったいないからね……。一応つや消しスプレー吹けばおさまるんだけど、あれすぐ取れるのよ。


 僕は一週間でスプレーの効果が無くなり、諦めた。独自構造ゆえに結構ややこしいキーボードなので、そんなしょっちゅう分解していられないからね。


 REALFORCEに負けているところがあるとしたら、ここだと思う。ほかは、僕はリアフォより好きなんだけどね。

 まあスイッチ方式が違うので、比べるようなものじゃないんだけども。どっちも名機。それでいいんだけど。


 いやあ……リベルタッチ復活の兆しが見えただけで、本当に嬉しいよ。


 これを書いている2024年11月現在、遊舎工房さんの店舗で展示品を触れる。


 新型は新規キーユニットを採用し、Nキーロールオーバー・LEDバックライトにも対応するらしい。バックライトは個人的には要らないと思っているんだけど、これも時代だね。

 時代に対応していかないと、あまり売れなくて長く販売されないということになりかねないので、ブランド延命のためにはどんどん流行を取り入れて欲しいものだ。


 今アンケートを取っているということは、まだまだ販売は先だろう。キーユニットなどの開発は進んでいるように見えるが、それ以外の部分はユーザーの意見も参考にしつつ開発を進めていくのかもしれない。

 待つよ、全然待つ。


 ここまでユーザーの意見を取り入れようとしてくれるの、本当に嬉しいんだよね。

 最近は、高級キーボードブランドに対してちょっとした不信感をつのらせているユーザーもいるんだ。


 特にREALFORCE。


 ありがとう、FCLコンポーネント。ユーザーの声を聞こうとしてくれて。リベルタッチをまたこの世に出そうとしてくれて。

 本当に、ありがとう。

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