第5話 ♮残された季節♮
驚くべきことに、海水浴が大人気だ!!今のうちに目一杯遊んでおこうってことか。それにしても何故成り立つんだ?お店まである。
たくさんの家族連れが、カップルが、年配の人々まで夏を楽しんでる。
※【はい、何でもあるよ〜ドリンクは支払いはスマートフォンでね。解らないことは手伝いますよ】※
※【お母さん、あのお店で買って〜喉乾いた〜オレンジジュース飲みたい、買って〜】※
※【最近オレンジジュースなんて見ないもんね〜果汁入ってないと思うけどね。でも確かに喉乾いたね。じゃ買いに行こう】※
普通に微笑ましい会話だ。あとこの季節は多くても両手くらい…いや、今の季節を楽しもう。
※【私達はもう充分生きた。でもこれからの子供達が可哀想でね〜何とかならないものかね〜】※
※【そうだよな〜酷な話だな。この清々しい風、空、海、本当に消えてしまうのかな〜】※
ある年配の夫婦の会話だ。
誰もが疑うような、絵に書いたような綺麗な景色。
※【お嬢ちゃん、オレンジジュースだよ。これ果肉入りだから内緒にね】※
※【ありがとう!!お母さん果肉入りだって〜】※
※【あのお店のお兄さん、優しい嘘を…娘のためにありがとう…本当にありがとう】※
もう果物も普通に手に入ることはない。
あの人の嘘は…真実の優しさをも超えたんだな。
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