第41話 これまでのこと
スクルド、レギン、ラーズ、と俺の4人は執務室のソファに座り、レギンの入れてくれた紅茶を飲みながらこれまでの状況について報告が行われた。
レギンとラーズはこれまでも連絡を取り合っていたとのことで、レギンからのラーズと再開した時の説明が行われた。その話を聞いて冷や汗が流れた。
「二席と再開したのは今から5年前のことで、あの日、突然魔王領に戦略級魔法が打ち込まれました。」
「レギン、諜報担当なら正確に説明しなさい。
私は魔の森に打ち込んだの。
それが魔王領にかすっただけだわ。」
「だそうです。
そのため私は状況確認のため現場に行ったところ、騎士団を連れた子供がいました。
私が隠れて様子を確認したところ、拡声器の魔道具を使った声が届きました。
「レギン、隠れていないで出てきなさい。」と
私は名指しで呼ばれたので出て行くと、その子供が言いました。
「私が戻ったわ。二席の私に従いなさい。」と。」
俺は、困惑して聞いた。
「どういうこと?
戦略級魔法って『インフェルノ ノヴァ』?」
というと、ラーズが言った。
「私が補足して説明します。
まず私が放った魔法は規模こそ及びませんが、魔王様の『インフェルノ ノヴァ』です。
前回貴方が使うのを見て再現しました。
放った理由は魔王様と同じで、ゴブリンとオークの間引きです。」
「戦略級魔法って、見て再現できるのか?」
「貴方が魔法陣を残していたので、そこから改良を加えました。
多少時間を要しましたが、あの後何年一緒にいたか覚えています?」
「いろいろツッコミどころもあるが...
続けてくれ」
「はい、ゴブリンどもの間引きに乗じてレギンと連絡を取るのが私の本当の目的でした。
魔王領に被害があれば必ず出てくると思ったので。
そして計画どおりに手下を得た。という訳です。」
レギンは少し泣いていた。
「貴方、それ嬉し泣きよね?」
レギンも大変だな...
四天王の4人は、出会った経緯も違い、種族的に寿命が異なるので付き合いの長さが異なる。
同種族のスクルドや、眷族のラーズは他の2人に比べて俺との繋がりが強いと言えるが、俺が序列をつけた訳ではない。
四天王の序列はあれど、実際にはレギンはスクルドの上だし、ラーズもスクルドを上とは見ていないようだ。
「お前らが自分たちで決めた序列じゃないのか?」
俺がそう聞くとスクルドが他の2人に言い、
「あんた達、じゃんけんに負けたんだから、上席の私を敬いなさいよ!」
それに対して、ラーズが
「今世では無効よ。再度リベンジを求めるわ。」
といい、レギンはラーズを見て
「二席が私のこと手下って言いましたよね?」
と呟いた。
俺は序列がじゃんけんで決められていたことは知らなかった。
「それで?四天王第四席のあいつもここ世界中いるんだろ?」
と俺が聞くと、ラーズは真剣な顔になり言った。
「詳しくは説明できませんが、
彼女は私たちの敵です。」
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