第5話 第三ゲーム
正午。
人が亡くなった後だからどうしてもご飯が不味く感じる。
ましてや自分が殺したんだ。
自分の本能が滲み出てしまったようで、恐ろしく感じる。
こちらも最上級のもの、とは言うがどうしても気分が悪い。
食べてくださいと言われ、食事に手をつける。
今回は誰も犠牲者はいなかったみたいだ。
少しホッとした。
だがこの後30分の休憩後、嘘発見器ゲームが始まる。
一体今度は何をさせられるんだ…もう俺は、誰も殺したくないんだ、!
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「ではこれから嘘発見器ゲームを始めます。」
「ルールは簡単。今から答える質問に嘘をつかなければ良いんです。
何を言われてもはい、またはいいえで正直に答えてください。」
そう言われた後、ボディーガードマンが参加者の頭に機械をつけていく。
「それでは皆様、そこの椅子に座ってください。」
「嘘をついたらそのつけてある機械が脳波を察知し、すぐに分かります。」
緊張しながら腰を落とす。
一体どんな質問だろうか。
「ではまず問一。」
「貴方は犯罪をした事がありますか?」
『いいえ』
「次ですね。問二、」
「貴方は今楽しいですか?」
『いいえ』
「問三、貴方は人を好きになった事がありますか?」
『はい』/『いいえ』
「問四、好きな食べ物はありますか?」
『はい』
「問五、それはなんですか?」
『唐揚げです』
あ、あの男やったな。
バアン!
「残念。私ははい、またはいいえで答えろと言いました。」
…なんて理不尽なゲームなんだ……
これ絶対答えなきゃ駄目だよな…なんて答えれば…
あ、そうだ。
『はい』
このゲームは必ずしも“全ての“質疑応答に適当な答えを出せとは言われていない。
はい、またはいいえで答えれば良いだけ。
答えられない問題が出ればどちらか好きな方を答えれば良いんだ。
実際、『はい』と言うのは嘘ではない。
好きな食べ物は何かと聞かれて『はい』、または『いいえ』と答えても質疑応答に適当な答えを出していないのだから嘘も本当も言いようがないだろう。
すると参加者もそれに気づいたらしく、
はい、いいえと答えた。
「みなさん正解です!
優秀ですね。」
「明日はまた新しいゲームがあります。
楽しみにしててくださいね。」
明日、か。
明日さえ乗り切れば…
どうやら勝利はすぐそこみたいだな。
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