第2話 草原と出会い
これは異世界転移って奴じゃないか?
まさか縁切りの神様の奴、俺と世界の縁を切りやがったんじゃないだろうな!
「しかしなんもねぇ・・・俺はただのリーマンでサバイバル能力なんてないぞ。あったら動画投稿者になってんだよくそっ」
まぁサバイバル以前の問題である。
森も見当たらないし、生き物がちょこっと野原をかけているだけ。
ステータスオープンとか言ったらなんか出てきたりしないかね?
「ステータスオープン」
アニメや漫画の世界ほどご都合はよくないらしい。
何も出てこなかった。
手を前に掲げてステータスオープンとか言っちゃってる自分が恥ずかしい。
もしここに誰かいたら恥ずかしくてーーー
「君、面白いね」
「は、え?」
声のする方を見ると、白髪の少女が俺のことをジーッと見つめている。
赤眼の美少女だが、浴衣からはみ出ているおっぱいに釘付けになってしまうのは男のサガだよな。
しかしまぁ、この少女を見るとこの世界が異世界であるということがわかる。
頭には動物の耳がついていて、お尻から尻尾が生えていたからだ。
しかし俺はそんなこと頭に入らないくらい羞恥心でしゃがみ込んでしまった。
「どうしたの?」
「自分の恥ずかしさに悶えているだけ・・・って待て待て待て!」
疑問符を浮かべ首を傾げてこっちを見る少女は可愛かった。
ってそうじゃねぇよ!
なんで日本語話せてんの!?
ステータスとか表示されないからてっきりご都合主義なんて現実ではあり得ないと思っちゃったよ!?
「君、異国の人だね。流暢に日本語喋ってるけど学んだのかな?」
「日本語?俺の言葉を日本語って言ったのか?」
「そうだけど、あれ?もしかして日本語は話せるけど聞き取れないとか?」
「いや聞き取れてるけど、というか俺、日本人だけど」
もしかしてこの子も日本人?
ケモノミミってことから転移ではなく転生か?
俺が異世界転移してるんだ、他の人が異世界に転移や転生している奴がいてもおかしくはない。
でもこの感じはなんか少し違う気がする。
「君が日本人?あはははっ!もしかして異国のジョーク?」
「ジョークでもなんでもないんだが」
「え、てことは
なんだよ猿耳って。
猿の耳?
まぁ人間は猿の生まれ変わりって言うけど・・・
「待て!誰が猿じゃ!尻尾もないだろ!」
「ふははっ、冗談だよ冗談。日本でヒューマンは観光でも滅多に見ないしさ。でも居ないわけじゃないし?」
「なんだよ、なら先に言えよ」
「先に言ったら面白くないじゃん」
こいつ・・・
張り倒してやろうか?
「まぁちょっと揶揄ったお詫びに、ギルドに案内してあげるよ」
「ギルド?」
「そうだよー!街のお困りごとなんでも冒険者におまかせでござる!冒険者ギルドでござるのギルドだよ!」
何故語尾にござるを付けるのかとつっ込みたいところだが、冒険者ギルドか。
ライトノベルを読み漁る毎日を送っていた俺は、このシチュエーションに憧れを抱いてたんだ。
俺の冒険譚はここから始まる!
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