立冬

一番外側の重要なシャッターが閉まれば、後は順繰りで簡単なことだった。近づく金属音はどこまでも事務的で、後戻りはできないことを知っている。

「これでよかったのかな」

視線の定まらないまま問う声に色はない。

「仕方ないさ。誰も悪くない」

当たり障りのない言葉は音がない。

もう見えるところまでシャッターは閉まっている。

「また、土の中で」

立冬だ。春に目覚める保証はない。それでも今はこれしか方法がないから。ガシャン。

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