素敵な声

あの子はいいけど君じゃだめ。

そんな当たり前で残酷で全てを否定する言葉に、僕は目を伏せて耐えた。

「あの子はいいけど君じゃだめ」

君があの子の一番じゃないから、僕を踏みにじってもいいの?

ことさらに褒めたあの子に何ら罪はなく、あるとすればそれは君なんだって、君は無理を通さないと気づけない。

そう、僕じゃだめだ。

だから僕は僕にできることをする。

君の声帯をホルマリン漬けに。

響かなくてもきれいだよ。

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忙しいから200字でまとめてよ。 磐長怜(いわなが れい) @syouhenya

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