はやにえ

「モズだったらはやにえがしたい。求愛の主張が人間よりスマートだ」

と言うと彼は曖昧に笑った。彼は眉目秀麗だったが可愛いものが大好きだった。

 何年も大事にしている、と見せてくれたピンクのパスケースは安っぽく薄汚れていて、合皮の手入れを怠っているのがすぐわかった。可愛らしさが努力なしに継続すると信じる傲慢の凝縮。

 だから、私は彼を殺した。

生まれ持ったものがこれ以上損なわれないように。枝に刺さった彼は美しい。

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