第73話 急襲!咸陽城
咸陽の城内。
中では10000の魔族・レッドキャップの混成兵と熊武将4人・魔族将軍4名が駐屯している。
「報告します、北の砦以外はすべて敵に落とされた模様!」
「さらに援軍で送られました各6000と4000の部隊は、敵勢力によって全滅!」
この報告で城内は騒然となる。
「この数日で兵10000が全滅?」
「我らはいったいどれほどの戦力と戦っているのだ?」
狼狽える魔族将軍たちに熊武将たちは配下に指揮を出す。
「魔法兵はすぐさま闇の障壁を張れ!」
「各兵団は籠城戦の用意!」
「ワイバーン部隊はいつでも飛び立てるように準備しておけ!」
「なんという冷静で的確な判断力なんだ!!」
熊武将たちの的確な指示に胸をなでおろす魔族将軍たち。
彼らは将軍の肩書だが、地方魔族の跡取りたちにしか過ぎない。
要は、戦争経験を積ませるために職を与えて送り込まれたボンボンたちなのだ。
そんな彼らを本当に嫌っている熊武将たち。
それもそのはず、普段はその熊将軍たちを「獣の集まり」とバカにしているのだ。
そして、魔族将軍のボンボンたちには嫌われているという自覚がない。
「素晴らしいですぞ、熊武将たち!」
「戦争の事は全てまかせるので、早く敵をやっつけてくだされ」
こんな言葉を聞き、熊武将たちは壁癖としてしまう。
まぁ、指揮に口を出さないだけマシではあるが…
「上空に障壁を展開できません!!」
「なんだと!」
兵の報告に、熊武将それぞれが決めていた持ち場に走る。
残った魔族将軍は、熊武将がいなくなった部屋で威勢よく話す。
「うまくやるのじゃぞ、獣ども!」
外に出た熊武将は、崖の方を見て驚く。
何と崖から次々と人が降りてきて、戦闘を始めている。
「あの崖を…降りてきたというのか?」
にわかに信じられない熊武将たちだったが、すぐ我に返り指示を出す。
「ワイバーン隊500を全て空に上げろ!」
「住民は家から出るな!」
「おれの部隊は正門に行って、門の警護と敵増援に備える!」
「私の部隊は侵入者を迎撃する!続けー!!」
各々戦況を理解し、熊武将たちは機敏に配置に着く。
これより咸陽の大攻防戦が始まる。
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