第59話 半獣化
正面の門に向かう、ラビット国の兵団。
しかし、門は固く閉ざされている。
恐らく数人がかりで、門に闇の障壁魔法をかけているのではないだろうか?
「で、どうする?飛んで入るか?」
そう話す鎧武者に、僧兵は笑いながら話す。
「ハッハッハッ!」
「せっかく敵共が頼りにしている門だ、正面からまかり通るとしよう!」
そう話し、僧兵は門の前で名乗りを上げる。
「やあやあ、我こそはピット国王の家臣である、義経様一の臣下・武蔵坊弁慶と申す!」
「今から門を開けて中に入らせて頂く!」
そう名乗りを上げると、背負った武器の籠を地面に置き、一本の鉄槌を取り出す。
そのまま門の前に行くと、半獣化で体中が筋骨隆々となり、渾身の力で鉄槌を振り下ろす。
「そいやー!!」
弁慶の掛け声とともに、扉は悲鳴を上げる。
一撃で門は軋み、二撃目で裏の貫抜きはへし折れ、三撃目にて後ろで支えていた魔族20人ごと扉は吹き飛ばされた。
扉を吹き飛ばした弁慶は、そのまま鉄槌を地面に立て仁王立ちした。
「此度の砦攻略」
「我らは仰せつかっておりませぬので助勢はここまで!」
そのまま後ろから10人の兵団が近づく
「弁慶殿お見事!」
「さて、ここからはこの黒田長政率いる黒田八虎と」
「官兵衛様古参の家臣・母里 武兵衛でお相手仕る!」
そう敵に名乗りを上げた長政は家臣に号令した。
「者共、掛かれー!!」
「オーッ!!」
雄たけびとともに10人が砦内になだれ込む。
半獣化した彼らは腕に鎌を残した状態で戦場を飛び回る。
又兵衛は槍で高速の突きを繰り出し、前方の魔族兵たちは次々と突き倒される。
上空に飛んだ太兵衛は風魔法「かまいたち」を次々と繰り出し、地上の魔族兵を八つ裂きにしていく。
武兵衛は魔族が集まったところへ槍を振り回しながら突撃し、魔族兵は次々と吹き飛ぶ。
大乱戦の為、弓兵や魔法兵は力が発揮できず、攻撃を避けられたり、作った壁を打ち破られながら次々と斬り倒されていく。
大混乱に陥った魔族兵は、この惨状から逃げ出そうと各門に殺到するが、その至る所に待ち構えた八虎たちに近寄るものすべて倒された。
長政は武将たちに的確な指示を出し、魔族兵は見る見るうちに兵が減っていく。
30分もすると2000の魔族兵は大半が討ち取られ、あちこちで魔族兵が命乞いをし、投降した。
魔族兵にとっては正に地獄の時間だった。
「者ども、勝鬨を上げよ!!」
「「エイ・エイ・オー!!!」」
長政と家臣の勝鬨で中央の砦攻略は終了した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます