第49話 流言飛語
淮陰の街の中を進む4頭。
住民はコボルトやゴブリンが多く、オオカミやイタチなどの獣人も少数ではあるがいる。
皆の話題は、やはり隣国『宋国』のようだ。
「森の隣の城に、兵が集まっているのを行商のコボルトが見たそうだ」
「やはりこの森を攻めるという噂は本当らしい」
「早くレッドキャップと手を結んで、そちらに備えないと大変なことになるぞ」
「ナインテールは私たちが難民になったとき受け入れてくれるだろうか?」
「やはり宋国がイワイに攻め込むのは本当なのだろうか?」
ピットの疑問に蒯通は答える。
「ご安心ください、宋国には現在そのような余裕はございませぬ」
「宋国内は、反乱に次ぐ反乱で鎮圧に追われ、この森に手を出す暇などございません」
「これはレッドキャップから送り込まれた間者による流言飛語と考えられます」
「領民の不安を煽ることができれば、たとえ上層部が流言とわかっていても」
「その対応に時間を取られざるを得ないのです」
その通り、と孔明も相槌を打つ。
「民あっての国」
「その民が不安になれば、それを取り除くのが国家の仕事」
「レッドキャップとしては、南を侵攻している間イワイを黙らせておけば良いのであって、実際その通りに物事が進んでいる状態でしたからな」
歩きながら会話をしていると、蒯通が止める。
「あちらがイワイの政務館になります」
「話をつけてまいりますので少々お待ちを…」
そう言い残し、蒯通は門番の元へ行き話を始める。
やがて、門番は一礼し4頭を迎え入れる。
「さて、これからが本番ですな」
4頭は政務館の中へと入っていった。
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