第47話 万物の天才

出立準備の途中、半蔵からフクロウを保護したとの報告を受ける。


早速ピットたちは楠本イネさんの診療所を訪れる。


「ピット王お待ちしておりました」


受付の看護師さんがさっそく病室へと案内する。


フクロウは、連れてこられた当初、だいぶ弱っていたとの事だったが、魔法書によって覚えたイネさんの土属性回復魔法(アースヒール)と、孔明の配下だった医者の華蛇の外科治療により、普通の食事ができるまでに回復していた。


「このフクロウ、転生者です」


ピットはそう告げると、薄く光るフクロウに問いかける。


「進化を受け入れて、前世の記憶を取り戻しますか?」


フクロウはコクリと頷き、進化が始まる。


現れたのは、青い目をした白人の男性で、赤い服にマントという派手な出で立ちのイケメンさんが登場した。


「はじめまして、私の名前はレオナルド・ダ・ヴィンチ」

「レオナルドとお呼びください」


ピットは笑顔で


「わかりました、今後ともよろしく、みんなと仲良くね」


『万物の天才』といわれる彼に、すごく軽い返事をしていた。


「私はいろいろと研究や絵を描いたりするのが好きですので、宜しければ「laboratory」を作っていただけると助かります」


「わかりました」

「甚五郎さん、彼に「らぼらとりぃ」というものを作ってあげてください」


ピットはlaboratoryが何かわからないまま、英語がわからない甚五郎にお願いしていた。


「まずはケガの治療に専念してくださいね」


そう話し、ピットたちは診療所を後にした。


当然ではあるが、のちに彼の研究の成果がこの国を大きく変えていくことになる。


出立前に、官兵衛が清正に声をかける。


「清正殿、この後馬良殿と姜維殿が、元ナインテールの兵士たちを連れてくるので、一緒に鍛えてもらえぬか?」


「おう、官兵衛殿任せておけ」


「孔明殿の部下たちはこの俺が立派な兵に鍛え上げてやるから、安心して国事に努められよ」


そう言って4人を送り出してくれた。


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