第33話 宗教名決まりました
陳平を見送ったピットたちは足早にエルフの森へと向かう。
途中庵にて官兵衛・姜維と合流、馬良は残って残務処理となる。
「レッドキャップが魔物に進化させられたってことは、イワイや孔明もって事なの?」
疑問そうに話すピットに、孔明は答える。
「私とイワイはエルフたちによって進化を受けました」
「北東の森に怪物が発生したと、北東に住む仲間のエルフからの報告を受け、それに対抗するため、北西のエルフと南のエルフが見込みのありそうな動物を集め、数日をかけて祈祷し、私とイワイを進化させたとの事です」
うん、エルフが数日掛けて進化させるものを、ピット君は瞬間で最上位をポコポコ進化させていたのですね。
最初からおかしいとは思っていたけど、この能力自体がチート能力だったのか。
まぁ、祈祷対象にゴキブリやケラ持ってくる変な奴は普通いないだろうし、その辺をこっちが味方にできる分有利に進められるってことだな。
「見えてきました、あれがエルフの村です」
前を見ると木の上に橋があり、家が作ってあるなどエルフの世界観が映し出されている。
「彼らは木の上で生活しております」
孔明が話すと、若い(?)エルフに最奥の大きな木の上にある大きな家の中に案内された。
子供以外は皆若いエルフにしか見えず、一切年齢がわからないのだ。
中に入ると,中央に緑の服を纏った女性のエルフ、左右に白と緑の服を纏った男性のエルフが座っている。
4人は獣人化から人型へと変化して、女王へ挨拶する。
「お久しぶりでございます、アル・アノア女王」
「ナインテール…いや、今は諸葛亮孔明でしたね?」
「まさかあなたが別の世界から転生して来た者とは…」
「更にヒューマンまで進化できたのですね」
「そして…それを可能にしたラビット族の王ピット殿」
女王はピットに顔を向ける。
「我らが女神・ルリエンより、あなた達が来る少し前にお告げがありました」
「神は、あなた達と協力し、魔族の手先であるレッドキャップを倒せと!」
3人は驚いた顔で女王を見つめる。
「女神ルリエンのお告げによると、ピットたちの神『よしだ・じゃすてぃす・ひーはー(笑)』と共闘したので、皆で魔族の連中をやっちまいな!」
「困ったら、よしだ・じゃすてぃす・ひーはー(笑)神を頼るよう、彼が何とかするので、じゃあ ノシ」
女王がそう告げると、部屋内は静まりかえる…。
…やられた。
こんのくそ女神、自分の信者を俺に押し付けやがった!
さらに俺の変な名前を勝手に神様名にしているんじゃねーよ!
しかもこのひと…隣で笑い転げてやがる!
「だって君、信仰必要なんだろ?じゃあ僕の信者も貸してあげるよ!じゃすてぃす・ひーはー(笑)君?」
そこまで言うと、ルリエンはまた爆笑しだした。
だめだ…佐藤とルリエンに俺は完全におもちゃにされている…
「…しかし、我らエルフ族は、女神ルリエンへの信仰を捨てるわけにはいかない!」
エルフのお偉いさん2人もウム!と返事をする。
ルリエンはチェッ!て顔をしてムスッとしている。
いやいや、あなたエルフたちの信仰失ったらマズイでしょ?
こんな笑いを取るために自分の命(?)張らないでくださいよ!
「そうか、我々を守ってくれる神は『よしだ・じゃすてぃす・ひーはー(笑)』というのか…」
ピットは天井を見ながら呟く。
うん、エルフたちもきっと「自分たちの神の名前」知らなかったことに驚いていると思うぞ?
しかも、変な名前だし…
「しかし…少々名前が長うございますな」
官兵衛が言うと
「女神ルリエンは、あなたたちの神を『ジャスティス君』と話しておりました」
エルフ女王はそう教えてくれた。
孔明は小さく呟く。
「なんてことだ…最高だ!」
孔明はピットに告げる。
「では、我々の神の名は「ジャスティス神」で統一いたしましょう」
もう…いいや。
フルネームとかひーはーとか付けられなかっただけマシ。
中高生の時のあだ名もジャスティスだったし、問題ないから。
これにより、ピットたちの宗教名は『ジャスティス教』となり、神名は『ジャスティス神』となった。
「それで、あなた達の国の名前なのですが、ラビット王国で宜しいのでしょうか?」
アル・アノア女王は尋ねると、孔明が答えた。
「はい、女王様」
「それで、国王はこちらのラビット・ピット様になります」
「わかりました、では…」
「ラビット国の樹立と、国王ラビット・ピットの即位を、エルフ国女王・アル・アノアが宣言します!」
3人は一斉に立ち、女王はピットと握手をする。
「ピット国王、今後とも末永くよろしく頼みます」
「アル・アノア女王、こちらこそお願いします」
これにより、ラビット・エルフ二国の同盟も終結された。
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