異世界行っても、金髪黒ギャルには、飲んでも乗るな!
飼猫 タマ
第1話 1日目
頭が割れるように痛い。二日酔いか。
昨日、給料日だったから、缶ビールを箱買いして浴びるように飲んだのだ。
だけれども、流石に、15本以上飲んだのは不味かった。
まあ、15本までは記憶があったのだが、この俺が、それだけで終わる筈がない。きっと、箱全部24本キッチリ飲み干してしまったのだろう。
流石に、次の日も会社が休みだったとしても、箱を全部飲み干すのは失敗だった。
こんなに二日酔いが酷くなると分かってたら、絶対に飲まなかったのに……
しかしながら、昨日の俺は飲まずには居られなかったのだ。
アホな社員が、自分の失敗を俺にせいにしやがって、俺は上役の上司にこっぴどく怒られたのである。
本当に、俺が学歴も資格もない31歳の派遣社員じゃなければ、アホな社員も、上役の上司もぶん殴って絶対に会社を辞めてた所。
だけれども、このクソッタレの社会は、学歴も資格もない高校中退の中卒だと、ロクな職業なんかつけないんだよね。
なので、実際、俺も、派遣社員をやってる訳で、アホな社員に嵌められても、グッ!と、感情を押し殺して耐えるしかないのだ。
そして、昨日のヤケ酒にと、遡る訳だけど。
やっぱり、激安量販店のよく分かんないメーカーの安酒だったのが原因なのか?俺って、二日酔いとかならないタイプだったのに……
そんな事を思いながら、目を覚ましたのだが、
アレ?知らない天井?
ちょっと、二日酔いで頭が痛すぎて頭が回らない。
兎に角、自分が住んでる安アパートでない事だけは分かる。
もしかして、酔っ払って、他所様の家にお邪魔したのか?
ちょっと、そんなの怖過ぎるんだけど……
俺は、起き上がろうと、体を横に向けると、そこには、一昔前に流行った金髪黒ギャルが、スヤスヤと寝てたのだった。
「えっと……何が起こってる」
本気に、全く思い出せない。
俺が覚えてるのは、ビールを15本飲んだ所まで。
そして、酔った勢いで、街に繰り出し金髪黒ギャルをゲットして、お持ち帰りじゃなくて、逆にお持ち帰りされてしまったのか?
まあ、俺って31歳になっても童貞だから、例え、酔っ払ってたとしても、こんなイケイケ金髪黒ギャルを家に連れ帰る事など出来そうにないし、逆にキショいと、頭カチ割られそうだし。
ウン。この頭の痛みは、酔った勢いで、この子を襲おうとして、頭カチ割られたんだな!
しかし、唯一の俺の自信であるチョコバナナを見て、イケイケでエロエロの金髪黒ギャルは、思い直し、俺が気絶した内に、俺のぶっといチョコバナナで一人楽しんでいたと……
とか、妄想を楽しんでると、金髪黒ギャルが目を覚ます。
というか、金髪黒ギャル日本人だと思ってたのに、まさかの碧眼?!
寝てる時まで、カラコンを付けてるとか、どんだけイケイケなんだ。目にカビ生えるぞ!
「大丈夫?」
何故か、金髪黒ギャルが、俺の事を心配してる。見た目と違い優しい人?
というか、『大丈夫?』か、だって?
もしかして、昨日、俺は何かエロ楽しいイベントがあって、しかも、情けない事に立たなかったとか?
知識だけはたくさんあるけど、こんなイケイケ金髪黒ギャルを前にしたら、萎縮してしまったという事も有り得るかもしれない。
だって、俺って、童貞だからね。
「本当に、大丈夫?」
金髪黒ギャルは、布団をから出て、心配そうに顔を近付けてくる。
「て?! ちょっと待ってくれ!」
俺は、相当、焦る。だって、年齢15か16歳ぐらいの金髪黒ギャルは何も着てないし。生まれたままの格好だし!
やはり、イケイケの金髪黒ギャルともなると、素っ裸で寝るのが普通なのか?
それとも、事の後なので素っ裸なのか?
二日酔いで、昨日の記憶が全く無い俺には、全く分からない事だ。
せめて、昨日の記憶が欲しい。
ヤッてても、ヤッてなくても。
「どうしたの?」
金髪黒ギャルは、頭を横にコテンとして、不思議そうに俺を見てる。
クッ! やはり、今どき、金髪黒ギャルをしてるような猛者は、羞恥心など皆無なのだ。
だって、この目の前に居る金髪黒ギャルは、自分の意思を貫き、今では流行らない金髪黒ギャルを続けているのだ。
日本人特有の右に倣え精神、同調圧力に真っ向から逆らい続けているとも言える。
そんな金髪黒ギャルが、寝る時、パジャマなど絶対に着て寝ないのである。
金髪黒ギャルなら、金髪黒ギャルらしく、金髪黒ギャル道を貫くのだ。
例え、それが今の主流じゃなくても!
俺は、童貞のオッサンが、キョドってると思われなたくないので、俺も平気な顔をして自分に掛かってた布団を退ける。
フン。俺は帽子を被った中坊じゃないのだよ。見よ!この逞しいチョコバナナを!
「て、ん?!」
俺は、自分の右手で鍛え抜いた筈のチョコバナナを見て絶句する。
「白い……そして、長い……しかも何故か帽子被ってるし……どういう事?!」
俺は、訳が分からず、体中を触る。
「アレ? 俺、小さくなってる? しかも肌が白くてヒョロガリ……意味が分かんないんだけど?
ていうか、痛ッ!!」
頭を触ると、激痛が走る。
「ちょっと! 頭触っちゃダメだよ!まだ、完全には塞がってないんだから!」
金髪黒ギャルが、慌てて、頭を触ってた俺の手を握る。
というか、俺の目の前にたわわな二つの丘が……
俺は、突然に事に、頭に血が登って、
プシュー!
頭から、何かが吹き出し、
「えっ?! 何コレ?血の噴水?!」
やっぱり、金髪黒ギャルを襲って頭カチ割られてた?
ああ……なんかヤバい……血を出し過ぎて朦朧として来た……
こんなヤバい状況で、1つだけ言える事。
それは、金髪黒ギャルには、飲んでも乗るな!
俺のように、酔った勢いでも、イケイケの金髪黒ギャルに乗ってしまうと、本当に頭をカチ割られるかもしれないからね。
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