雲を追う少年。
恐ろしいほどに鮮やかな白黒の世界
雲を追う少年
少年が親に連れられて電車に乗る。窓ガラスに掌をつけて外を見て、はしゃいでいる。
『わぁーー。畑、家、家、家、畑、川だ〜、。きれい。空もキレー。あの雲、今乗ってる電車みたいな形してる✧。あれは車で。おぉ、長い雲がある!あれは剣。ーーー』
ある程度はしゃいだ後、少年は電車の揺れに眠りに連れ去られた。起きたのは夕方。また窓の外を見る。
『オレンジだ✦。雲が白くない!っかっこいい。あれ?あそこの高い山の上に薄い雲が乗っかってるぅ。あんな大きな山も雲には頭を撫でられるんだ◊。』
雨が降るその夜、少年が久しぶりに会った祖父母と共に過ごす。
「おばあちゃんとおじいちゃんと星が見たかったけど雨降っちゃったね。」
「おばあちゃんもみたかったよぉ。」
「今日は富士山が傘かぶってたからなぁ。」
「?。富士山が傘をかぶると雨が降るの?」
「あぁそうだ。」
『富士山は雲に撫でられて泣いちゃったのかな。悪さでもしたのかなあ。♪何をしたんだろう。』
その夜に、少年は大きな夢を見たらしい。
雲を追う少年。 恐ろしいほどに鮮やかな白黒の世界 @Nyutaro
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