スケッチブック

くらやみお姉さん

スケッチブック


 アリスブルーの光をほどく制服を三菱鉛筆に漉す朝まだき

 

 

 補助線が風の背中を微分してカーテンは未だ白のおとずれ

 

 

 木洩れ日は青の波濤の底をふる春の楽譜を濡らすリプトン

 

 

 デスケルの標に空を横たえてラジオネームは課外を泳ぐ

 

 

 Pixivで自慰をして餃子を食べるゴールデン・ウィークをたやすく過ごす

 


 洋白の斜線に過る吾の影を見ずに自販機のサイダー落とす

 

 

 ポリエチレン・テレフタレートの陽だまりが灼く泌尿器科の塀の砂苔

 

 

 花柄の箸でフレンチトーストを食べる先輩のきれいな追試

 

 

 真夜中に尾灯とろけて凹凸の書き順を声できく二人乗り 

 

 

 ハムサラダ食みつつ夢をあきらめる術を傳えて天使は窓へ

 

 

 もう四時間ダンガンロンパの話してる美術部室に犬が来る 見る

 

 

 画題になる前の惣菜パンを食べ銀合歓の葉をはぐ星の帰路

 

 

 溢れでるシャワーがお湯になるまでは鏡に水をかけてる先輩

 

 

 氵にmelancholyを感じるな腐女子のくせに肉を残すな

 

 

 振り返る音でさわだつ眼の裏に光を架ける不規則銀河

 

 

 逆光のサンダルの峰を瑠璃蟻の這うまでのこと春疾風の朝

 

 

 助手席のメビウスライト 神さまのいない海岸 ヴァリアス・アーティスト

 

 

 海老ピラフ踏んで捻挫した先輩がゆっくり廊下を来るのであります



 遠ざかる気流の喩こそ君であれ花弁の機銃を駆け抜けるだけ



 パーレンに言い残したこと何もない口笛のようなフルーツジュース

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