影遊ビ

千織@山羊座文学

あそびまショ

小学校の帰り道。

その日の夕焼けは、街が燃えているんじゃないかと思うくらい赤かった。



夕日を背に、石ころを蹴りながら歩く。

コツンと蹴って、石は斜め前にコロコロ転がった。



急に、目の前が暗くなった。

大きな影が僕を覆う。



視線を感じて、後ろを振り返った。



塀の横に立つ電柱の後ろ。

そこにいる”何か”から、大きな影が伸びて、僕のところまで来ていた。



何か、が、何かはわからないが、絶対にこちらを見ている。



怖くなって、走った。



影は、追ってくる。


音もなく、追ってくる。


視線を感じる。


ずっと見ている、僕を。



家に着いて、ドアの鍵を取り出した。

手がガチガチと震えて、うまく鍵穴にさせない。



僕の上に、影が重なった。



すぐ後ろにいる。



僕は、後ろを振り向いた。



♢♢♢



翌日の朝。


僕は電柱の後ろにいた。


そして、ボクが元気に登校していくのを見た。



早く大きくナリたいナ。


僕は誰と一緒に遊ボウカナ。

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