第1話 雨上がりのエクスタシー
「お兄ちゃん、何してんの?」
自殺しようとしたタイミングで妹が入ってきてしまった、少し動揺したが、この際、一切合切全て打ち明けようと思った。
「何って、自殺だよ」
理由を説明しようとしたところ、妹に遮られる。
「なんでなの?」
その声は、怒りを含んでいるのに、悲しそうでそのほかにも色々な感情が含まれているような感じがした。そして、俺は妹の問いに答える
「誰も俺の人間としての本質を見てくれないんだ、心じゃなくて能力だけで見てくるし、大人たちは、都合が良く、とても能力があるだけの道具としか見ていない。教師もだ、道徳、倫理なんてほざいているけど、子供を道具としか見ていない。挙句、女子生徒に犯された、もうこの世界を一切信用できないんだよ。」
バン
「ふざけないで」
妹に頬を叩かれた上で、怒られた。
「ふざけないでって、お前は俺の何をわかってるんだよ」
「私は喉を乾いてる時に、それを察してジュースを注いでくれる、そのほかにも、空気が読めて、気が使えるお兄ちゃんの優しい部分を知ってる」
それを聞いた瞬間に不意に涙がこぼれてしまった。
「私は昔から、双子であることを理解していたけど、お兄ちゃんのとこが大好きだった、お兄ちゃん、今一瞬だけは、自分のために優等生であることをやめて、私とヤろ?お兄ちゃんのいいところ全部教えてあげたうえ、全部上書きして、立ち直らせてあげる。」
そして俺は、俺たちは禁断のことをしてしまった。この後起こることに気づかないまま‥‥‥
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