28話、仕事再開


「めたるげるすらいむ、めるちゃん」


「めるちゃん、いいですね」


「さすがロスちゃんです! センスいいですね!」


「じゃ、この子はこれからめるちゃんで。ロス、お世話おねがいね」


「しょうち、です!」


メタルゲルスライムの名前を決め、お世話をロスにまかせた。ロスが一目で気に入ったからだ。

ほんとうは聖女様に渡そうと思っていたが、ロスが気に入ってしまったので無しに。次テイムできれば渡そう。

図鑑によると鉄クズや油などを好むそうなので、餌はラピスとラズリに調達をおねがいしておく。肉なども食べるらしいが、あくまで脂や油が好きなようだ。




外は晴れ。雨の影響も、もう無さそうだ。

朝ごはんを食べて、のんびりと飲み物を飲んで、ロスを撫でていると、ヴァルさんが迎えに来てくれた。


「今日は降らなかったので、森ももう乾いているだろう。いけるか?」


「はい、大丈夫です。ロス、お留守番お願いね」


「しょうち、です!」


かわいい。承知ってどこでおぼえたんだろう。




昨日と同じく王都を出て、森へ向かう。

道中でツノウサギが襲ってきた。ヴァルさんが一瞬で処理してくれた。ツノウサギが出るのであれば、スライムもいるだろう。雨の影響はもう大丈夫のようだ。


森の中。さっそく、ノーマルスライムをみつけた。


「強い魔物の魔力に当てられて、変化する魔物もいるのだが、ノーマルスライムは大丈夫そうだな」


見た目はなにひとつ変わっていない。動きものんびり。

変化したスライムも気になるけど、そんなことより今は仕事だ。


順調にテイムしていく。前回より、ノーマルスライムが少し多いようで、午前中で三十匹もテイムできてしまった。


「弁当を食べて、午後もやるか? それとも、明日に回すか?」


「午後もやって、今日中に終わらせましょう。聖女様を待たせていますし」


昨日なにも出来なかった分があるし、調子のいいうちに進めておこう。


昼食にドさんのつくってくれた弁当を食べて、小休憩。

私が食べ終え、休憩している間にヴァルさんも弁当を食べはじめる。

弁当箱にパンと肉がミチミチに詰まっている。よく見るとサンドイッチと呼べるのかギリギリのものが入っていた。

食べるのはやいな。ちゃんと噛んでるのに。


「よし、動けるぞ」


「いや、ちょっと休憩しましょう」


「む、そうか」


あんなに食べてすぐ動けるってほんと、騎士って凄いなあ……

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