【多重人格】ってさあ、もっと生活に役立つギフトがあっただろうが.......ざけんな、くそ神様が‼

「えっと、どういうギフトなんだ？」

「...............つかえない」

「すまないが、つかえないごみギフトのお前を面倒みられるほど裕福じゃないんだ。」

は？？？？え、どういうこと？なんで？なんでだよ？？？あの１０年間は、に、せ、も、の？落ち着け、落ち着け。ふぅ～。

言いたいことは分かる、家が裕福でないし弟の面倒も見ないといけないのも分かるけどさ、ひどくね？まだ１０歳だぜ？どうやって生きていけというんだ？それより１０年間の絆はそんなもんかよ‼確かにギフトはこんなもんかって落胆はあっただろうけどさ、家から出て行けなんて...くそぉぉぉおおおお！絶対に成り上がってやる！

..............................でも、前世よりか、まし...か

前世なんかは、学校に行けば罵られ、物を壊され、誰も助けてくれない、いや楽しんでいる節さえあった。地獄だった。助けてほしかった。大人になったら、終わると思っていたのに...馬車馬のように働かされては、休憩すら与えられない。文字どうり身を粉にして働いた。なのに、成果が出ると、調子に乗るなとパワハラ、成果が出ないとお前をここに置いてやってるのは俺だぞ‼なのに、恩をあだで返しやがって‼とパワハラ。文字どうりのくそみたいな人生だった。

「おい、聞いてるか？まあいい。ここに１０万円ある。しばらくはもつだろ、仕事をなんか見つけて、あとは自分で稼げ。」

「............はい。ありがとう、ございます」

こうして、俺は帰る場所がなくなった。

ピロン