第7話②ファン感謝祭

田﨑は村西たちに、

「どうしてブルーウイングスを応援してくれるようになったんですか」

と問いかけた。


「あるラグビーのイベントでブース出していて、必死に呼び込みしていた男性が、名札にポジション 監督って書いていてびっくりしちゃった。

気になって調べたら運営も選手達がしているのを知って、すごいな!って単純な尊敬からかな。

仕事だけで精一杯になってることが情けなくなっちゃった」


「私は桜庭選手!

初めて無理矢理ラグビーの試合に連れて行かれて、友達はどっかに行っちゃうし、何していいか分からないからベンチに座っていたときに声をかけてもらってびっくり。スタッフの方だと思っていたけど、その後の試合に出ていたのを見て推し!になったからかな。

桜庭選手とお話してどんどん好きになっちゃった」

と照れながら話す。


「私はキャラクター!

あまり可愛くない青い鳥が自分の羽があるのに、青い羽付けていてそれをバタバタさせていてかわいいなーって思ってからかな。あのキャラクターはブルーウイングスの皆さんみたいに、仕事とラグビーという2つの翼を持とうと奮闘してるって聞いて好きな大好きなキャラクターになりました」


口々に応援するきっかけを話し始めた。


きっかけや想い出のエピソードを聞く度に田﨑たち4人は胸が熱くなった。

小さな自分たちをしっかりと見てくれている。

格好悪い日常だらけだけど、スタジアムにいる自分たちをちゃんと見てくれている。


桜庭は既に涙ぐんでいる。

田﨑は

「桜庭さんまた泣いてる!」

とからかいながら、


改めて村西たちに聞いた。


「次のファン感謝祭でやってほしいことの希望ありますか?」


「妄想を言えば色々あるんですけど、本音は皆さんが私たちのことを考えて企画して下さったことは何でも嬉しいんですよ。

近くで皆さんにお会いしてお話できるだけで幸せです」

という考えに、田﨑たちは反省した。


ファンの方のために自分たちが考えることをしないで、答えを求めていたことを。


4人は改めて自分たちで考えることを決意した。

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