第25話 闇の根源
大宮駅を出た明智真一と瑠衣は、地図を頼りにジョーカーの隠れ家を目指した。大宮の街並みを抜け、閑静な住宅街に差し掛かると、古びた家が見えてきた。
「ここが地図にあった場所だな」
真一は低く呟いた。
「気をつけて、罠があるかもしれないわ」
瑠衣は周囲を警戒しながら言った。
二人が進んでいくと、道の先に氷川神社が見えてきた。神社の境内は静まり返り、厳かな雰囲気が漂っていた。
「一度、ここで情報を整理しよう」
真一は提案し、神社の敷地内に入った。
神社の石段に座り、二人は持っている情報を確認し合った。真一は深く息を吸い込み、次の一手を考えた。
「土屋という名の情報屋が、ジョーカーについての情報を持っていると聞いた。彼に接触する必要がある」
真一は言った。
「土屋?どこにいるの?」
瑠衣が尋ねた。
「彼の居場所は氷川神社の近くにあるらしい」
真一は周囲を見渡しながら答えた。
土屋の情報を求めて、真一と瑠衣は神社の奥へと進んだ。やがて、古びた社務所の前に立っている
「あなたが土屋さんか?」
真一は慎重に尋ねた。
「そうだ。何の用だ?」
土屋は鋭い目で二人を見つめた。
「ジョーカーの情報が欲しい。彼の居場所を教えてくれ」
真一は切実に頼んだ。
土屋は一瞬黙り込んだ後、深いため息をついた。「分かった。だが、ここでは話せない。もっと安全な場所へ移動しよう」
土屋は二人を近くのラブホテルへと案内し、そこで話をすることにした。ジャグジー付きの部屋に通された三人は、それぞれソファに腰を下ろした。
「ジョーカーは、洞窟に隠された金塊を使って資金を集めている。彼の組織は、地下に隠れた武器庫も持っている」
土屋は静かに話し始めた。
「そして、彼の隠れ家は、頭蓋骨の彫刻が飾られた部屋があると言われている」
土屋は一瞬、遠くを見るように目を細めた。
「なるほど、その情報は助かる」
真一は感謝の意を示した。
情報を得た真一と瑠衣は、夜行列車で次の目的地に向かうことにした。夜の闇を切り裂くように、列車はゆっくりと出発した。
「これからが本番ね」
瑠衣は窓の外を見ながら呟いた。
「そうだ。罪と罰はまだ続く」真一は拳を握りしめ、決意を新たにした。
目的地は会津の鶴ヶ城。ジョーカーの隠れ家があるとされる場所だった。列車の中で二人は情報を整理し、次の動きを計画した。
「鶴ヶ城で、すべての真相を明らかにしよう」
真一は決意を込めて言った。
「ええ、共に戦うわ」
瑠衣は力強く頷いた。
夜の闇が深まる中、二人は次なる戦いに向けて静かに準備を進めていた。果たして、彼らはジョーカーを追い詰めることができるのだろうか――。
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