第63話 調査

花見を終えて帰宅した後は、皆でお風呂に入ったり、シアタールームに設置したカラオケを楽しんだりしながら過ごした。


カラオケはネットに繋がるタイプではないので、少し古かったが十分楽しかったな。


夜は皆が気を利かせてくれて、志帆と初夜?を過ごさせてもらった。

行為は無しにしたが、幸せな夜を共に過ごした。


さて今日からは先延ばしにしてきた事を確認していこう。

皆の安全を守るために、何時までも放置は出来ないからな。


一番近い原発に向かって飛んでいく。

怖いので近付いてなかった為、マップが埋まっていくな。


索敵を随時使用しながら、マップで確認していくと、原発に近付く程にモンスターの反応が多くなっている。


多いなんて物ではないかも?一面モンスターの反応で埋まっている?なんだこれは。


特にモンスターの反応が多い所に向かってみると、公園か?木や雑草など全ての植物がモンスター化してるのか?モンスター同士でも魔力を得るために殺し合いそうだが共生してるのか?


鑑定で調べてみるが、どれもレベルはそこそこ上がっているが、普通の植物モンスターだな。


これだけの数のモンスターが殺し合わずにどうやってレベルアップしてるんだ?

魔力感知で見てみると辺り一帯に魔力が充満している?


周りに大量に魔力があるから、他者から奪わずに生存出来ていて、更にレベルアップまでしているのか?モンスターは経験値ではなく魔力の吸収でレベルアップする?


この大量の魔力は何処から来ているのか調べてみよう。


原発に向かう程に魔力の濃度が上がっている。

原発から魔力が生産されてるのか?なんだ?魔力って何なんだ?


いや、違うか?原発から魔力が生産されているなら流れは原発から外に一方通行の筈だ。


一度原発に集まった魔力が押し出されている感じか?もしかして魔力が放射能を消すために集まって来ている?どんどん集まってくる魔力に先に来ていた魔力が押し出されている感じだな。


内容は違うが、以前読んだ漫画を思い出す。

地球にとって人類が一番の毒で、人類を減らし地球そのもの、またそこに生きる他の生物を救う為に異形の生物が創られる。


魔力は地球を救う為にある?だから全ての生物にとって危険な放射能を消している?

証明など出来ないが、そんな考えが浮かんでしまった。


いきなりこんな世界になったんだ。

何かしらの超常的な存在の意志が介入していても不思議ではないか。


人類が今後、他の生物や地球そのものを殺してしまう事を危惧した存在が、先に手を打ったって事かもな。


漫画や小説に毒された考えだが、何だとしても俺がやる事は変わらない。

家族と幸せに生きるために、やれることをやっていこう。


俺が危惧していた原発は、魔力が解決してくれていたので安心だな。


逆に原発が放射能を出さなくなって、魔力が世界中に均一に広がった時の方が、モンスターが強化されて困りそうだな。


何十年先か分からないが、その時の人類には頑張ってもらおう。


暫く周辺の高レベルモンスターを狩ってレベル上げをしてたが、安心したからか今日はあまりやる気が出ないな。

家に帰って、植物モンスターのテイム実験でもしよう。

幸い付近には沢山の植物モンスターがいるから、次元空間に入れて持っていこう。


植物モンスターのテイムだが、何と言うかテイムは出来た。

出来たのだが、そもそもモンスター化していても意思や知能は無いのかもしれない。


命令しても認識出来ていないし、理解するという意識すら無いみたいなんだよな。


ただ周辺の栄養を吸収して成長する。

もしかしたら、それをやめろと命令すればしなくなるのかもだけど、意味ないよね。


もう少しレベルが上がって、意志があるモンスターに成長したら、指示通りに動いてくれたりするのかな?


以前、枝を振り回してきた木のモンスターがいたが、樹齢の高い木のモンスターなら意志があったりするのかな?


もう少し実験してみるか?

いや、食料生産に役立たないなら急がなくても良いかな。

暇になったらやっていこう。


今日は二つも目的を終えられたので満足だな。

明日からは他の生存者の観察でもしてみるかな。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る